第11章 やっと手に入れたモノ
「はぁぁ…反則だろ。めっちゃ似合ってるし、すげェ可愛くてつらい。」
「あ、ありがとうございます…」
ベッドから降りたマイキーがカノトに近付き、頭の横の編み込みに気付き、触れる。
「それ、祭りの時にしてくれたやつ?」
「はい」
「そういうのって、難しいんじゃねーの?」
「あの時みたいにきっちりはしてませんけど難しくはないですよ。慣れると割と簡単に編み込めます」
「触ったら崩れる?」
「大丈夫ですよ」
マイキーがそっと編み込み部分に触れる。
「ケンチンも三つ編みにして髪セットしてっけど、カノの三つ編みは柔らかくてふわっとしてる」
「そうですか?」
「うん。元から髪質がいいんだな。ふわふわしててずっと触ってたくなる」
「マイキーくんの髪も柔らかそうです」
「触っていーよ」
ん、と顔を寄せるマイキーの髪をひと房優しく握り、撫でるように指先を触れさせる。
「カノの方が柔けーだろ?」
「男女で髪質が違うって聞きますけど、私は好きです、マイキーくんの髪」
「髪だけ?」
「!」
意地悪な顔で笑むマイキーに"分かってるくせに…"と心の中で思い、背伸びをして、耳元に口を寄せる。
「マイキーくんの全部が好きですよ」
マイキーが目を見開いた。そして口許を緩ませて微笑むと、カノトの腰に両手を回し、ぐっと引き寄せる。
「オレもカノの全部が好きだよ。てか今の言い方すげーえっちだった!もしかして誘ってる!?」
「さ、誘ってません!!変な事言わないで…!!」
「だって色っぽかったもん。耳に吐息がかかって"マイキーくんの全部が好き"とか言われたらムラッとすんじゃん!」
「ムッ…!?へ、変態…!!」
「ハァ!?変態って酷くねェ!?オマエが可愛いことすんのが悪い!!」
「マイキーくんがえっ……なのが悪い、です」
「聞こえねーんだけどー?」
「うっ……」
「オレが何?もっと大きな声で言ってくんねーと分かんねぇよ」
「(くっ…このニヤニヤ顔は絶対聞こえてた!!)」
「なぁ、なんて言ったの?」
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