第11章 やっと手に入れたモノ
「だ…だから…マイキーくんが…」
そのワードを口にするのは流石に恥ずかしい。なのにマイキーはカノトが言い出すのをニコニコと笑んで待っている。
「っ!マイキーくんがえっちぃのが悪いです…!!」
「えっちぃって…ぷっ、ははは!」
「な、何で笑うんです!?」
「いや?可愛く言い替えたなって。けどオレ的には"マイキーくんがえっちなのが悪いんです"の方が誘ってる感があって好きだな」
「(だから誘ってない…!!)」
「むすっとした顔も可愛い」
「むっ……」
からかわれてる気がして、むっと顔をしかめたが、急にマイキーが真剣な顔でカノトを見下ろしているので、どうしたのかと不安げに見上げる。
「マイキーくん?」
「そのままの格好でベッドに押し倒したら流石に服がぐしゃぐしゃになるよな」
「は?」
「いやでも脱がせれば…」
「っ〜〜〜!バカ…!!」
「冗談だって」
顔を真っ赤にしたカノトに、ふっと可笑しそうに笑うマイキー。
「冗談に聞こえないんですよ!」
「冗談じゃねーもん」
「…今冗談だって言いましたよね?」
「カノがどんな反応するか見たくて」
「最低なんですけど…!」
「まぁまぁ怒んなって。冗談じゃねーけど、一応まだ理性は残ってるからさ、オマエがオレの理性を崩さない限り、がっついたりしないからそこは安心してよ」
「(この人笑顔でとんでもない事口走らなかった…?)」
「ね、ちゅーしよ」
「さっきしたじゃないですか」
「あんなんじゃ足りねー」
「もう……」
「優しいなーカノは」
ちゅっ
「(…私、マイキーくんに甘すぎない?)」
「よし!買ってきたケーキ食べよ!」
「ココアもあれば良かったですね」
「あるよ」
「あるんですか?」
「オマエとまた一緒に作りたくていつも置いてあんの」
「(私のために…)」
「カップとか用意してくるから待ってろ」
「じゃあケーキ出しておきますね」
「ん。」
部屋を出て行ったマイキーを見送った後、カノトはケーキを二個取り出し、マイキーが戻って来るのを待った。
next…