第11章 やっと手に入れたモノ
「よく2週間も堪えられましたね」
「堪えられなくて毎日夢にオマエが出てきて余計寂しくなった」
「(夢にまで出てくるとは…)」
「夢ン中じゃ触れたくても触れられねェし、拷問かよってすげェ虚しくなって…やっぱ会いてぇって思った」
声のトーンが下がり、その声色から寂しかったんだと分かる。
「カノは?夢の中にオレ出てきた?」
「…残念ながら」
「オレへの想いが足りてねェんじゃねーの?」
むーっと不満げに頬を膨らませるマイキーに"そんなこと言われても"と苦笑する。
「なぁケンチンが言ってたんだけど…」
「はい?」
「オレとエマの仲を誤解して、勝手に不機嫌になってたって本当?」
「!!」
「だから出てきた時、あんなに悲しそうな顔してたんだ?」
「な、何で嬉しそうなんですか」
「オマエがヤキモチ妬いてくれて嬉しいなって」
「な………!」
「口では言ってくんねーけどさ、オマエ、オレのこと大好きだもんな?大好きだから、エマにも嫉妬しちゃうんだよな?」
「……………」
考えが見透かされてて、悔しくてぷくーっと頬を膨らませ、マイキーから視線を逸らした。
「照れなくてもいいじゃん」
「照れてません」
「ね、ちゅーする?」
「!」
「さっきは口の端ギリギリにして、オマエ顔真っ赤にさせてただろ?あれじゃ本当にキスしたって思われてるって。タケミっちなんかすげぇ赤くなってたし」
「その件はまだ許してませんよ…。人前であんなことして…他のお客さん達もビックリしてたじゃないですか!」
「あの子がオマエにしつこく迫ってるから、助けてやろーって思ったんじゃん」
「だからって…人前は恥ずかしいですよ!」
「なら人前じゃなきゃシてもいい?」
「そ、れは……」
「たくさん抱きしめて、たくさんキスして、たくさんオマエを愛してもいい?」
「っ………!!」
恋人に向けるかのような台詞にカッと首元が熱くなる。"えっと…"と恥ずかしげに困り顔を浮かべているとマイキーはニコッと笑み、カノトを後ろにあるベッドに押し倒す。
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