第2章 無敵のマイキー
ハッとしたカノトはタケミチに駆け寄る。
「タケミチくん!」
「カノちゃん…」
「ひどい怪我…!すぐに手当てしないと…!」
「あいつが東卍の…」
「うん。“佐野万次郎”…」
二人はマイキーとドラケンが去った方角を見つめる。
「さっきはありがとな」
「え?」
「オマエの応援、めっちゃ利いたわ」
「これぞ勇者のスキル『応援』だよ!」
「まんまじゃん。でもカノちゃん、あんまヒヤヒヤさせないで。マジでキヨマサがオマエを殴ったりしたらどうしようかと思ったんだからな」
「だって黙ってられなかったんだもん」
「(まぁブチ切れたカノちゃんも久々に見たらすげー怖かったけど…)」
「でもカッコよかったよ、タケミチくん」
「よせよ、照れるワ」
満更でもなさそうなタケミチにカノトも笑った。
✤ ✤ ✤
翌日────。
「おはよう、タケミチくん」
「おー、おはようカノちゃん」
登校中にタケミチを見つけ、ポンッと肩を叩いた。
「ねぇタケミチくん。今の格好にその呼び方はどうかと思う。一応、男装中だからね」
「それもそっあ。じゃあみんながいる前でだけカノトって呼ぶわ」
「お願いね」
「しかし…“学校”ってつらーい。朝がつらい。8時って早すぎだろ!夜型人間のオレだよ?」
「僕は平気。忙しいと病院で寝泊まりする事も多いし、朝型にも夜型にも適応できる」
「おはよータケミチ君」
「ヒナ!」
「偉い偉い!ちゃんと朝から登校してるね!って…あれ?カノト君?」
「おはようヒナちゃん」
「え!タケミチ君と友達だったの?」
「そんなに珍しい?」
「だってカノト君は美形だし、女の子達からモテモテだし、頭も性格も良いし、王子様みたいでタケミチ君とは何の接点もなさそうなのに…」
「めっちゃコイツのことリスペクトするじゃん!」
「確かに普通は生きる世界が違うかも知れないけどさ、それを超えた友情で僕らは繋がってるんだ」
「なんかいいね、そういう関係。もうタケミチくんもカノト君と友達なら教えてくれたらよかったのに〜!」
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