第2章 無敵のマイキー
「あ…ああ…」
タケミチの前まで歩いてきたマイキーはずいっと顔を近づける。その拍子に驚いたタケミチは凄んで尻もちをついた。
「オマエ名前は?」
「は…花垣武道」
「…そっか…タケミっち」
「へ?タ…タケミっち?」
「マイキーがそう言うんだからそうだろ?タケミっち」
「へっ!?」
「ねぇ、そっちのオマエは?」
「え?僕?」
「そ。名前、なんてーの?」
マイキーがこちらを振り向いて言う。
「…宮村、心叶都。」
「じゃあ、カノ」
「!」
「よろしくな♥」
「(まさかの本名呼び…)」
「なに驚いた顔してんだよ、カノ」
ドラケンまでそう呼び始めた。そしてマイキーはしゃがみ込むと、タケミチの頭の後ろに手を伸ばし、更に近づける。
「オマエら本当に中学生?」
ギクッと二人の身体が跳ねた。
「タケミっち、カノ。今日から俺のダチ!!なっ♥」
「「へ!?」」
ニコッと笑うとマイキーは表情を消し、まだ頭を下げているキヨマサに歩み寄る。
「オマエが“喧嘩賭博(コレ)”の主催?」
「は…はい!」
怯えるキヨマサにニコッと張り付けた笑みを見せると、目にも止まらぬ速さでキヨマサの顎を蹴り上げた。
「あがっ」
そして頭をガッと鷲掴み…
「誰だオマエ?」
怖い顔でそう呟いた。
「オイ」
最初の蹴りで気絶したキヨマサの顔面を拳で殴り続ける。そして顔面が腫れ上がったところで解放し、手を放す。
キヨマサは地面に倒れた。
「さて」
その頭をマイキーが踏みつける。
「帰ろっか、ケンチン」
マイキーの顔にはキヨマサを殴った時に飛んだ返り血が付着していた。
「“喧嘩賭博”とか下らねー」
「“東卍”の名前落とすようなマネすんなよ」
総長の圧倒的な強さにタケミチとカノトは唖然としていた。
「タケミっち!カノ!」
ビクッ
「またネ♥」
「テメぇらボーっとしてないで解散しろー」
喧嘩賭博を収めると二人は帰って行った。
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