第10章 “あの日”のお守り
「で…どこで知り合ったの?」
「ふふん!"マッチングアプリ"だ!」
「……………」
何が"ふふん"なんだろうか。誇らしげに胸を張ることじゃない。そんな白けた目で友人を見た。
「近場の子で探したらさぁー可愛い子がいたわけよ!んで紹介文読んだら"気軽にお茶してくれる人募集中です♪奥手なのでリードしてくれるカッコイイ男の人募集してまーす♥"って書いてて!!」
「…中学生が出会い系なんかやんないでよ」
「出会い系じゃねーって!ただの友達作りのアプリ!お茶したり遊んだりすんの!」
「(明らかに露出度高いじゃん。)」
写真の女の子は胸元が開いたセクシーな格好をしており、如何にも男狙ってます感が溢れていた。
「ちなみに高校生な!めっちゃ可愛いだろ!もう一目惚れでさ〜」
「…"そういうの"目当てじゃないと思う」
「"そういうの"って?」
「(こういう女の人は裏で何やってるか分からないんだよな。もしかしたら二股…いや、三股とかしてるかもしれない。)」
明らかに偏見だが、あながち間違いでもないと思う。女の勘というヤツだろうか。
「とにかく…やめといた方がいいよ」
「だから何でだよ?」
「ロクな目に遭わない気がする」
「宮村は心配性だな〜!大丈夫だって!メッセージで何度かやり取りしたけど全然そんなんじゃねーから!安心しろよ!」
「……………」
「それにもしかしたら俺にモテ期が来てんのかもしんねェだろ?」
「それはないよ」
「おい!!」
"友達(ダチ)に対して冷た過ぎねェ!?"と辛辣なカノトの言葉にショックを受ける。
「そんなに女の子にモテたいの?」
「当たり前だろ!男はいつだって女にモテたい生き物なんだよ!お前だってそうだろ?」
「別に」
「別にぃ〜?カァー!!年中モテまくりのお前にモテねー男の気持ちなんか分かんねェよな!自分から誘わなくても自然と女達がうじゃうじゃ寄って来んだからよ!」
「何怒ってんの?」
「はん!怒ってねーよ!」
"やっぱお前と顔入れ替えてェな…"といじける友人に"それは不可能だよ"と返せば"マジレスすんな!こんちくしょう…!!"と泣かれた。
.