第9章 東卍vs.芭流覇羅
「っ………」
何…今の光景?
もしかして…既に起きた出来事の?
「(…そういう事だったんだね、過去の私。だから羽宮くんの条件を受け入れたんだね。東卍のみんなを…マイキーくんを…守るために…羽宮くんの傍にいる事を選んだ。)」
目を瞑り、ネックレスを握る。
「…できない」
「!」
「羽宮くんの条件を受け入れることは…できない」
キッパリ断ると一虎は目を見開いた。
「ごめんね羽宮くん。僕はこの先もずっと、マイキーくんの傍にいるって決めたんだ。だから…羽宮くんを選ぶ事はできない」
「…あっそ。じゃ、もういいや。オマエに期待したオレが馬鹿だったわ」
「羽宮くん…」
「友達もやめてやるよ」
冷めた目でカノトを一瞥した後、背を向け、鉄パイプを振り上げる。
「オレは英雄になる為に敵を殺す」
ガッ
「マイキーくん!!」
「………、敵を殺す?」
「!」
「そんな事で兄貴を殺したのか?」
キレたマイキーにぞくりと身を震わせる一虎。後ろから押さえんでいたチョメをブワッと投げ飛ばし、足を押さえていたチョンボごと持ち上げ、そのまま一虎の米神を蹴りつけた。
一気に三人倒したマイキーが呼吸を乱し、そのままドサッと膝をついて座り込む。
「マイキーくん!!」
よろけそうになりながらもマイキーに駆け寄る。
「マイキーくん!!しっかりしてください!!」
血を流しすぎたマイキーにいくら呼びかけても反応がない。
すると芭流覇羅の幹部達が動けないマイキーを見てチャンスだと思ったのか、“マイキー潰すぞ!!”と一斉に車に駆け上がり始めた。
「(どうしよう!?このままじゃ…!!)」
流石にこの大勢を相手にするのは無理だ。マイキーを抱えて逃げるのも体力的に無理。
「殺っちまえ!!」
マスクを付けた男が武器を使ってマイキーを倒そうとする。
「っ!」
咄嗟にマイキーを守るように男の前に飛び出す。その時、遠くの方で“カノちゃん…!!”と焦ったようなタケミチの声が聞こえた。
.