第9章 東卍vs.芭流覇羅
「(反則級のパワー!!恐るべし!!)」
「うらぁ!!」
「!」
ドラケンの圧倒的な強さに気を取られていると、大声を出しながら拳を振り下ろす芭流覇羅のメンバーがいて、咄嗟に振り返るも反応が遅れてしまい、頬に一発もらってしまう。
「カノ!!」
「いっ……っ」
所詮は男の女の力の差。殴られた反動で尻もちをついたカノトは鈍い痛みで顔を歪める。
ドラケンが名前を叫び、駆け寄ろうとしたのをカノトが手で制して止めさせた。
「…大丈夫です。ドラケンくんはそっちに集中してください」
膝に手をつき、ぐっと力を入れて立ち上がる。口の中が血の味がして、ぷっと吐き出す。そして目の前にいる男をどう天誅しようか考えた。
「(…八つ裂きにしてくれようか。)」
“女の顔を殴りやがって”…と心の中で毒づき、腫れた頬のまま、男を睨みつける。
「(マイキーくん…怒るよね。そういや私を傷付けた奴を殺すとか言ってたっけ…)」
彼がこんな雑魚を手に掛ける前に
私がちゃんと粛清させなきゃ
「ざまあみろ!!てめぇみたいなイケメン野郎は女に刺されて死んじまえ!!」
「…芭流覇羅の皆さんは僕の容姿に嫉妬してるんですね。僕があまりにも美形で皆さんの存在感を薄めてしまっているから、悔しくて僻んでいるんでしょう?」
「は?」
「言わなくても分かります。でもそれは仕方のない事じゃないですか。実際、貴方達より僕の方がモテる。僕の方が存在感もある。自分がモテないからって僻むのは良くないですよ?」
嫌味たっぷりにニコリと笑えば、芭流覇羅のメンバー達がピキッと青筋を立て、キレ顔でカノトを睨みつけている。
「ま、どうしてもモテたいなら…」
そこで笑っていた笑みをスッと消し、生ゴミを見るような蔑む目で彼らを見た。
「いっぺん死んで、心ごと入れ換えて来いよ」
遠くの方でタケミチが『キレたカノトマジ怖ぇ…』と言ってるのが何故か聞こえ、“そんなことないよ”と心の中で呟いておいた。
「上等だテメー…ぶっ殺してやらあ!!!」
ブチ切れた男が拳を振り翳しながら向かって来るのをカノトが渾身の一撃を込めた足で蹴り飛ばす。
ガシャンッ
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