第9章 東卍vs.芭流覇羅
「…敵の強さに圧倒されて、東卍側の戦意が削がれ始めてる」
地面に倒れ込む東卍のメンバー達が弱音を吐き、気持ちで負けていた。カノトは不安げに周囲を見渡す。
「(これじゃあ…勝てない。)」
「うおらああああ!!」
「!」
「かかってこいやテメーら!!!」
「(タケミチくん…!?)」
東卍のメンバーのやる気が失せる中、ボロボロになりながらも一人、敵に立ち向かうタケミチの姿があった。
「ぜってー倒りぇねーじょ。この抗争はオレが終わりゃすんだよ…。オレが全員、ぶっ飛ばす!!!」
それを見たカノトが笑う。
「あーあ!まだ負けてもいないのに敵にやられただけですーぐ弱音を吐いちゃうなんて情けないなあー!」
「!カノちゃん…」
「東卍の底力ってこんなものですかねー!?守られるだけなんてくそダサくないですか!?まだまだやれるんじゃないですかあー!?」
煽るように笑いながら東卍のメンバー達を見渡す。そんな二人の姿を見たメンバー達は戦意を取り戻し、立ち上がる。
「オマエのは完全にオレらを煽ったな、カノ」
「え!?決してそんなつもりでは…!!」
慌てて否定しようとするカノトにドラケンはふと笑う。
「目ぇ覚めたぜ、タケミっち、カノ」
そうして再び芭流覇羅を相手に立ち向かって行く東卍メンバー。戦意を失っていた彼らを守る必要が無くなったドラケンが自由に動けるようになった事で、戦況が一気に変わる。
「どけぇえ!!!」
「(す、すごい!!一瞬で10人ぶっ飛ばした!!改めて思い知る。ドラケンくんの…東卍No.2の本気。)」
「行くぞ半間ぁあ!!」
「来いや!!ドラケン!!」
拳を振るうと鈍い音と共に腕でガードした半間が勢い良く吹っ飛んだ。それを見た周りの奴らもドラケンのあまりの強さに驚き、目を見張っている。
「(絶対骨折れたよ!?ドラケンくん強すぎる!!半間が軽々と吹っ飛んだんだけど!?)」
「まだまだだぞ半間ぁー。テメーにゃカノを諦めてもらうんだからよぉー」
「ハハ…ダリィ…ガードしててこれかよ…」
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