第8章 寂しがりな君に贈るキス
「じゃあまたしてもいい?」
「今みたいなのする時はびっくりするのでちゃんと言ってください…」
「気持ちよすぎて涙出ちゃうから?」
「ち、違……!」
「オレのキスに戸惑いながらも一生懸命頑張って着いてこようとするオマエ見てたらさ…そこのベッドに押し倒して抱きたくなった」
「!?」
「めちゃくちゃに抱き潰して、好きってたくさん伝えて、オマエの中をオレで満たしたくなった」
「あ、あの…マイキーくん…?」
「でもまだオレのものになってないオマエを好きにする訳にはいかねェし、ギリギリのとこで思い留まってるオレを褒めて」
「え、えらいですね…?」
「てかもうほぼ完全にオレの事好きじゃない?」
「!」
「ちゅーも許してくれるし、抱きしめても嫌がんねーし、好きって伝えても嫌いじゃないって言うし。ね、オレのこと好き?」
「…嫌いではないです」
「ちゅーしたいって思ってくれてる?」
「…マイキーくんが勝手にするじゃないですか」
「ぎゅーってさせてくれる?」
「…人前じゃなければ」
「人前じゃなきゃオマエを抱きしめてちゅーしていいってこと?」
「さすがに恥ずかしいのでどちらか一つにして頂けると…」
「オレ、オマエへの愛が強いから多分抱きしめてちゅーするよ。どっちか一つだけとかムリ。ぎゅーもしたいし、ちゅーもしたい」
「マイキーくんって我儘ですよね…」
「知ってるクセに。それとも我儘なオレはイヤ?優しい男の方がいい?」
「…マイキーくんの我儘にはもう慣れました。というか、優しいじゃないですかマイキーくん」
「オマエにだけだよ、優しいのは」
「(胸きゅんセリフ…)」
恥ずかしくなり、頬を染める。
「(あのこと…話してみようかな…)」
気まずい空気になるのを承知で、カノトは真一郎の死の真相をマイキーに告げた。
「マイキーくん…」
「ん?」
「タケミチくんから聞いてしまったんです。マイキーくんのお兄さんが亡くなってしまった理由を…」
「!」
「ごめんなさい…」
「…何でオマエが謝んの?」
マイキーは困ったように笑む。
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