第8章 寂しがりな君に贈るキス
「場地圭介を守り、羽宮一虎を説得する!!それが今回のミッションですね」
「ああ!」
「うん!」
「龍宮寺堅の時といい、ボクたちこんなのばっかりですね」
「そろそろキメねぇとな!!」
「“そろそろ”か」
「ナオトくん?」
「簡単に言いますね。大変なミッションなハズなのに」
「ん?」
「実は君はすごい人なのかもですね!」
「ナオトくんが珍しくタケミチくんを褒めた!」
カノはパッと笑い、両指を合わせる。
「頑張ってきて下さい!」
「お…おう!」
「うん!」
「行ってくるぜナオト!」
「行ってくるねナオトくん!」
タケミチがナオトと握手を交わすと、鈴の音が鳴り、意識を飛ばした。
✤ ✤ ✤
2005年────過去。
「(マイキーくん…場地さんは絶対守る!そして羽宮くんを絶対救う!)」
「ボーッとしてるとちゅーするけどいい?」
「え?」
過去に意識を戻すと何故か隣にマイキーがいて、急な展開に思わず身を引く。
「ま、マイキーくん!?」
「オレが話しかけてんのに無視するとかいい度胸してんね」
「別に無視したわけじゃ…」
にっこりと笑ったマイキーに身の危険を感じ、ひくっと顔が引き攣る。気づけばカノトはマイキーの部屋にいた。
「ココア一緒に飲んでくれんじゃねーの?だから材料買ってきてくれたんでしょ?」
「(あ…そっか。マイキーくんとココア一緒に飲む約束してたっけ。)」
机には粉末のココアと牛乳と二つカップが用意されていた。マイキーは不服そうにこちらをじっと見つめている。
「最近上の空になる事多いけど…オレと一緒にいんのに他の男の事考えてた?」
「か、考えてません!」
「オレといる時はオレのことだけ考えてよ。オマエの頭ん中全部、オレでいっぱいにしてくんなきゃヤダ。」
「っ〜〜〜!」
「あーほんとかわいい。」
ちゅっ
「何でキスするんですかっ」
「照れるカノが可愛かったから」
「照れてません…!」
「そう言いつつ顔真っ赤じゃん」
マイキーが可笑しそうに笑う。
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