第7章 秘密、バレちゃいました。
泣きそうになるのをグッと堪える。
「オレのこときらい?」
「きらいじゃないです…」
「きらいじゃないなら何で拒否るんだよ」
「だから…それは…」
冷たい目をしたマイキーに問い詰められ、カノトは困った顔をする。
「もういい」
「え?」
「勝手に抱きしめる」
「ちょっ……!」
ぐっと手を引かれ、マイキーは強引にカノトを自分の元に引き寄せた。
「!」
逃がさないようにぎゅっと抱きしめた時、マイキーは何かに気付き、微かに目を見開く。
「……………」
カノトはマイキーの胸に顔を埋めたまま、じっと動かない。
「あのさ…ひとつ、確認してもいい?」
「……………」
「オマエ…女だったりする?」
「……………」
聞いてもカノトは答えない。マイキーは“まずい…”というような顔をして、抱きしめたまま、胸に顔を埋めているカノトに視線を落とす。
「…だからダメだって言ったんですよ」
ボソッと泣きそうな声で呟いた。
「女だってバレたくなくて隠してるのに…それを無理やり聞き出して強引に抱きしめて…これで満足ですか。」
ぎゅっと震える掌を握りしめる。
「ごめん…カノ…ごめん」
「……………」
「なぁ…返事して」
カノトを抱きしめたまま、マイキーは床に座る。ごめんと謝るマイキーの言葉にも無反応。背中に回っていた手を解き、上体を少し後ろに逸らし、俯いたままのカノトの顔を両手で包み込み、上に向かせた。
「!」
目尻に涙を浮かべ、口をキュッと結んだカノトが軽くマイキーを睨んでいる。
「…泣くなよカノ。本当ごめん。オレが悪かった」
「……………」
「今まで女だって隠してたんだもんな。それをオレに無理やり暴かれて…そりゃ怒るよな」
「もうマイキーくんとはハグしません」
「やだ…オマエのこと抱きしめたい。頼むからそんな寂しい事言うなよ…」
叱られた子供のような顔をしたマイキーは優しくギュッとカノトを抱きしめた。
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