第7章 秘密、バレちゃいました。
事前に教えてもらっていたマイキーの部屋に行き、ドアを開ける。
「あの…」
「お、上がった?」
「お風呂ありがとうございました」
「やっぱオレの服だと少し大きいな」
「服も…ありがとうございます」
「髪乾かした?」
「はい」
「シャンプーどっち使った?」
「え?…普通の、ですけど。」
「花の奴じゃない方?」
「はい」
そう答えると漫画を読んでいたマイキーが立ち上がり、カノトに近付き、頭に顔を寄せる。
「ホントだ。オレとおんなじシャンプーの匂いがする」
「っ!」
くんっと匂いを嗅いだマイキーが嬉しそうに言う。突然の事に驚いたカノトはビックリして顔を赤くさせた。
「か、嗅がないでください…っ」
「カノがオレとおんなじ匂いさせてんの…なんかえろいね」
「だ、だから…そういうこと言うのやめ…」
「あー…なんか…」
「マイキーくん?」
「やばい…」
「え?」
「同じ匂いさせてンの反則…ね、ぎゅーってしよ。」
「!」
抱き締めようとするマイキーから思わず距離を取る。バッと離れたカノトにマイキーは驚いた顔で低く呟いた。
「…は?なんで離れんの?」
「え、えっと…」
「なぁ…何でオレから離れようとした?」
怖い顔で機嫌悪そうに呟かれ、“しまった…”とマイキーから視線を逸らす。
「こっち見ろ」
ぐっと手首を掴まれた痛みで一瞬顔を歪める。
「い、痛いですマイキーくん…」
「いつもは抱きしめさせてくれんのに…何で今日は拒否んの?」
「今日は…その…抱きしめるのは…」
「……………」
「い、いきなり…離れたのはごめんなさい…でも…今日はダメです…」
「理由は?」
「…言えないです」
「意味わかんねーよ」
「(目に光が無い…)」
ぞわっと身を震わせた。
「ふ、服!洗って返しますから!だから…その…もう帰ります!」
「あ?まだ話終わってねーだろ。勝手に帰ろうとすんな」
「(怖い…こんな顔、初めて見た…)」
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