第7章 秘密、バレちゃいました。
「(大丈夫かな、タケミチくん…)」
帰り道、芭流覇羅のアジトに連れて行かれたタケミチを心配するカノト。
「(まさか羽宮くんが芭流覇羅のNo.3で、東卍の創設メンバーの6人目だったなんて…)」
何であの写真を見たとき
思い出せなかったんだろう
あれ…羽宮くんじゃん
「歳と共に記憶力まで低下したのかな…」
バシャンッ
考え込みながら歩いていると、突然全身がずぶ濡れになった。驚いて目をパチクリさせると空のバケツを持った女性が慌てて謝る。
「やだ!ごめんなさい!人がいるなんて思わなくて…!」
「いえ、気にしないでください」
髪もぺしゃんこになり、ポタポタと水滴が頬を伝い、地面に落ちた。その姿を見た女性が水滴を拭うカノトを見て、恍惚とした表情を浮かべる。
「(色っぽい!イケメン!)」
「(びっくりした。)」
「本当にごめんなさい…。打水をしようとしたんだけど柄杓じゃ時間掛かるし、それならバケツに入れて撒いてしまおうと思ったら貴方がいたのよ…」
「すぐ乾きますし平気です」
ニコッと笑うと女性はうっとりとカノトを眺める。
「今度からは人がいないかちゃんと確認してから撒く事にするわ」
女性は頭を下げ、家の中へと戻っていった。ハンカチを取り出し、頭や顔、制服を拭く。
「(すぐ乾くなんて言ったけど結構びしょ濡れだな。このままだと風邪引くかも…)」
その時、鞄にしまってある携帯に着信が入る。相手を確認するとマイキーからだった。
「もしもし?」
《もう学校終わった?》
「はい。今帰宅途中です」
《今日さ、タケミっちもケンチンも捕まんねーの。だから構って。暇。》
まぁタケミチくんは
羽宮くんに連れて行かれたしな
「うーん…今はちょっと…」
《何?用事ある?》
「用はないんですけど。今ずぶ濡れで…」
《は?》
マイキーに先程起こったハプニングを説明する。
《じゃあウチの風呂入ればいいじゃん。服も乾くまでオレの貸すし。》
「いや…でも迷惑に…」
《すげぇ退屈なの!オマエにまでフラれたらオレさみしーじゃん!》
「(困った…流石にお風呂は…)」
.