第7章 秘密、バレちゃいました。
「だからしばらく会いに来れなかったんだ」
「もしかして…急にいなくなった理由って、少年院に入ってたから?」
「そう」
「(そっか…待ち合わせ場所に来れなかったのも、連絡取れなかったのも、ずっと少年院にいたからなんだ。)」
「オマエに手紙出そうと思ったんだけど迷惑かけると悪いだろ」
「友達からの手紙を迷惑なんて思わないよ」
「…オレが年少に入ったって知っても、オマエの態度が変わらなくて安心した」
「理由は分からないけど、少年院に入ってたからって急に態度変えたりしない。それくらいで羽宮くんと友達を止めたりしないよ」
一虎は目を見張ったが、どこか切なげに笑い、“そうだな…”と言葉を返した。
「あ、ここだよ。タケミチくんの教室」
ガラッと扉を開ける。
「!?」
全員の視線が一斉に一虎に向けられた。
「なんだテメー?見ねぇカオだな」
「いきなりタメ口って!一応、同中の先輩なんだけど」
「は?誰だよ見た事ねぇし」
「やめろマコト!!」
「あ?なんだよ山岸」
山岸の視線が一瞬、一虎の首に注がれたのを見逃さなかったカノトは、横に立つ一虎の首にチラッと視線を遣る。
「!」
首に虎のタトゥー…!
「(あれ?どこかで見た気が…)」
「ねぇねぇ花垣タケミチって知ってる?」
「タ…タ…タ、タケミチ、出た!!!」
「は?」
「この人が芭流覇羅のNo.3、羽宮一虎だ!!!」
その言葉に驚いて一虎を見た。
「(羽宮くんが芭流覇羅のNo.3!?)」
「わ──!!」
「お?」
「うれしー!!オマエ、タケミチだろ!?」
一虎は感動してタケミチに抱き着いた。
「同中の一コ下に東卍のヤツがいるなんて!!よし!タケミチ!!」
「え?」
「芭流覇羅のアジトに行くぞ!」
「へ?芭流覇羅?」
タケミチを引っ張り、教室を出ようとする一虎を慌てて呼び止める。
「ま、待って羽宮くん!僕も一緒に…」
「案内してくれてありがとなカノト。でもオマエは連れて行けねぇ。だから気をつけて帰れよ」
ニコッと笑みを向けられ、一虎はタケミチを連れて行ってしまった。
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