第7章 秘密、バレちゃいました。
「そりゃあ…約束した相手が来なきゃオマエはずっと待ってるよな…」
「電話掛けても繋がらないし、羽宮くんの家も知らないから尋ねる事もできないし…」
「…ごめんな。約束破って。オマエが待ってる事は知ってたんだけどさ…どうしても行けなかったんだ」
「別に怒ってないよ。ただ何かあったんじゃないかって心配してただけだから。それなら僕に連絡できなかったのも仕方ないなって」
「……………」
「でも今こうして羽宮くんが目の前にいて、僕に会いに来てくれた。だからそんな悲しそうな顔で謝らないでよ」
「…カノトは優しいな、昔からさ。オレ、オマエのそういうところ、好きだよ」
「あ、ありがとう…」
不意打ちを食らい、照れる。
「なぁ…あの日の約束の埋め合わせって訳じゃねーけどさ、今度アイス食いに行こう」
「…うん!もちろん!」
笑顔で答えたカノトを見て、一虎は眉を下げ、どこか力なく笑った。
「ところでさ、花垣武道って知ってる?」
「タケミチくん?知ってるけど」
「そいつにも会いたくて来たんだ。カノト、そいつのトコまで連れてってよ」
「それは別にいいけど…」
予習途中のノートを鞄にしまい、カノトはタケミチの所まで一虎を案内する為、一緒に教室を出る。
「一虎君、終わったんスか?」
「おう」
「(え?誰この人達…)」
「この子、オレのダチな。何かしたら殴り殺すから覚えとけ」
「一虎君の友達に手出す訳ないっス」
「あの…羽宮くん、この人達は…?」
教室の外で待っていたのか、松葉杖をついた男が二人いた。頬にもガーゼが貼ってある。
「オレの一番信頼してる後輩」
「怪我してるけど何かあったの?」
「ん?昨日オレが追った」
平然と言う一虎にカノトは驚いた顔を浮かべ、男達を見た。
「ねぇ羽宮くん、聞いてもいい?」
「何?」
「羽宮くんって…今まで何処にいたの?」
「ん?少年院。」
「少年院!?羽宮くん捕まってたの!?」
「“アイツ”のせいでね」
「(アイツ…?)」
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