第7章 秘密、バレちゃいました。
「ここにいる稀咲鉄太は愛美愛主でオレらの世代をまとめてた男だ。芭流覇羅とモメる為に稀咲は必要だ!!参番隊隊長は稀咲鉄太!!覚えておけ!!!参番隊隊長任命式を終わる!」
マイキーが背を向け、そこから離れる。
「どうしよう…タケミチくん。このままじゃ稀咲が…って、タケミチくん──!!?」
カノトが不安げに横にいるタケミチに声を掛けた時、ダッと走り出したタケミチが稀咲を殴った。
「何やってんだ!?タケミっち!?」
タケミチに殴られたことで稀咲は掛けていた眼鏡が吹っ飛び、地面に落ちる。
「東卍でもねぇテメーが何やってんだ!?タケミっち!!!任命式潰す気か!?」
「ドラケン君…」
「どういう事だタケミっち!?」
「テメェ、マイキーの顔に泥塗るつもりか!?」
タケミチの今の行いに幹部である三ツ谷達が前に出てくる。カノトはハラハラとした様子でそれを見ていた。
「なんだ?なんだ?」
「!」
「オモシレェ事になってんじゃん!」
「場地…」
「テメェ謹慎中だろ?」
場地と呼ばれた男はタケミチの側まで近寄ってくると急にタケミチの顔面目掛けてパンチをお見舞した。
「場地やめろや」
「離せや三ツ谷。殺すゾ」
「オマエ…何がしてぇの?」
三ツ谷の質問には答えず、場地は少し離れた場所に立っているマイキーを見る。
「マイキー!!」
「何しに来た?場地。オマエは内輪揉めで集会出禁にしたはずだ」
「今またショボいガキ殴っちまった。大事な集会ぶち壊したオレは今度こそクビか?」
「………、場地。」
「オレ、芭流覇羅に行くわ。問題児はいらねぇんだろ?マイキー」
「場地!!」
「辞めてやるよ。壱番隊隊長、場地圭介は本日をもって東卍の敵だ!!」
「(この人が壱番隊隊長!?)」
驚きとどよめきが起こる中、言いたい事だけ伝えると場地はその場から立ち去って行く。マイキーはそんな場地の後ろ姿をじっと見送っている。
「(追いかけよう…!)」
石段を下りて神社を出るとカノトは場地を追いかけた。
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