第7章 秘密、バレちゃいました。
「これより東京卍會、参番隊隊長任命式を始める!!!」
ドラケンの合図で任命式が始まった。
「誰が任命されんのかな?」
「ぺーやん?」
「それはねーだろ」
「ドラケン君襲った奴が隊長になる?」
「確かに」
「本命不在…もしかして…いや、まさかな」
「その可能性は低いとして、新しい隊長は誰に決まるんだろうね」
「カノちゃん今サラッとオレをディスったな」
「ははは。」
ジーッと見てくるタケミチを軽く笑い飛ばす。
「参番隊隊長!!前に出ろ!!」
マイキーの掛け声で現れた二人の男。小さい男が大きい男を引き連れている。タケミチの横を差し掛かった時、小さい男がタケミチをギロッと睨みつけた。
「あの人、今タケミチくんを見て睨まなかった?」
「…アイツ、見た事ある」
「え?」
「誰だっけ?」
するとその小さい男は総長であるマイキーに背を向け、大柄な態度で石段に座った。
その途端、周囲は驚きでザワつく。
「なんだアイツ!?」
「ありえなくね?」
「総長に背ぇ向けて座りやがった!!」
「(マイキーくんも何も言わない…)」
「よく聞けテメェら!!オレの後ろに座ってる方が!!新参番隊隊長、稀咲鉄太だ!!」
え?
稀咲?
「タケミチくん…稀咲って…」
いきなり目の前に現れた稀咲に二人は驚きを隠せない。
「アイツ見た事あるぞ!」
「愛美愛主の奴じゃね?」
「愛美愛主の稀咲!」
パーちんをあんな状態に追い込んだチームがこの場にいる事に納得がいかず、“引っ込めコール”が起こる。
「黙れ!!マイキーの決めた事だ!文句ある奴ぁ前に出ろ!!」
ドラケンの言葉にメンバー達は押し黙る。
「ウチはこれから“芭流覇羅”とぶつかる!!新興勢力芭流覇羅は愛美愛主なんて目じゃねぇほどデケぇチームだ。勝つために東卍も勢力を拡大する!!」
「(そのために稀咲を東卍に入れる…)」
その結果がどうなるかは分からない。総長であるマイキーの決めた事だ。稀咲を加入させる事で愛美愛主に対抗できる勢力が手に入る。それが分かっていてもカノトは不安を拭い切れなかった。
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