第6章 幸せは一瞬で終わりを告げ
「拗ねんなってマイキー」
「拗ねてねーし」
「思いっきり機嫌悪ィじゃん」
むっすーと子供みたいに片頬を膨らませいじけるマイキーと、どうしていいのか分からずオロオロするカノト。
それを肩を竦めて呆れ笑いを見せる面々。
「マイキーくん、機嫌直してください」
「別にオマエが誰と仲良くしようが、誰の誘いを受けようがオレには関係ねーし。オレよりタケミっちを優先したくらいで怒ったりしねぇし」
「怒ってんじゃん」
すかさず笑顔のスマイリーがツッコむ。
「もうメンドくせーから早くマイキーのご機嫌とれよカノ」
「(どうやって!?)」
「オマエがマイキーと一緒に銭湯行きゃあいい話だろうが」
絶対に無理!
女だって即バレする!
「銭湯は…ちょっと…」
「オレとは一緒に入りたくないんだ」
「別にそういうわけじゃないですけど…」
「……………」
マイキーがジト目でこちらを見つめている。
「(ドラケンくん達からも“早く決めろやこっから動けねーだろうが”というような視線がビシバシ伝わる…)」
ダラダラと冷や汗が流れた。
「せ、銭湯じゃなくて…一緒にどこか行くっていうのはダメですか?」
「!」
「いろんな所を見て、気になったお店に入って、きっと楽しいですよ!だからマイキーくんに付き合ってほしいなーて思うんですけど…」
驚いて目を見張るマイキーだが、すぐに嬉しげな雰囲気を作り出すも、それを悟られたくなくて、顔は拗ねたままカノトに言う。
「じゃ、許す。」
それを聞き、ホッとした。
「はぁ…やっとか」
ドラケンは呆れた顔で後頭部に手を置く。
「本当は誘われて嬉しいクセになー」
三ツ谷が笑う。
「つーか今の会話、どう見ても恋人のやり取りにしか聞こえねーんだけど」
「あの二人ってどういう関係?」
三ツ谷が不思議そうにドラケンに聞く。
「お互いの首にお揃いのネックレス付ける関係」
二人の首に掛けられた色違いのペアネックレスを見た三ツ谷達は驚いた顔を浮かべる。
「マジか!」
「あのマイキーがなぁ…」
「……………」
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