第6章 幸せは一瞬で終わりを告げ
「結局、ボクらは何も変えられなかったワケですね…。何をやっても無駄。結局、運命は変えられない」
「それは違うぞナオト!」
日向が死に、絶望に打ちひしがれるナオトにタケミチが言った。
「ドラケン君を救っても何も変わらなかったのはそれが原因で東卍が巨悪化したワケじゃないってことだ」
ナオトはタケミチを見る。
「ヒナが目の前で死んだ時、燃え上がる炎を見ながら一つわかったんだ。元を正さなきゃダメだって事が!」
「…元を?」
「東卍を潰す!その為にオレが過去の東卍のトップになる!」
「ハハ、何を言い出すかと思えば」
「本気だぞ」
「そんな無茶な話…」
「無茶でいい!ヒナを救えるならどんな無茶でもする!!」
「私も兄さんを救えるならどんな無茶でもする!!」
「「!!」」
会話に割って入って現れたカノに二人は驚いた表情を浮かべる。
「カノさん!?」
「!オマエ…泣いたのか?」
「え?」
ナオトは泣き腫らした顔のカノを見る。
「目が腫れてんぞ。美人が台無し…」
「……………」
そこまで言ってタケミチは何かに気付き、言葉を止めた。
「まさか…マドカさんも…?」
「ハッピーエンドまでの道のりは厳しいね」
「カノちゃん…」
「タケミチくんが東卍のトップになるなら、私はその手助けをする」
「相変わらず頼もしいな、勇者様。」
「ヒナちゃんも兄さんも絶対に助ける」
「ああ」
二人はナオトを見る。
「…無茶苦茶な発想ですね。でも、ありがとう。落ち込んでいるのがバカらしくなりました。アホすぎて」
「ねぇねぇ、なんでいつも一言多いの?」
タケミチは怒りながら笑う。
「でも何でドラケン君を救ったのにこんな事になったんだ?」
「……………」
「だってマイキー君とドラケン君が二人揃ってんのに稀咲の入る隙なんてなくない?」
「だよね。ドラケンくんが生きてるのに東卍が悪くなるワケないよ」
「…龍宮寺の今、調べてみる価値はありそうですね!」
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