第6章 幸せは一瞬で終わりを告げ
ドラケンくんは助かった
これでミッションは成功だ
「…長い夏だったな」
マイキーくん
ドラケンくん
兄さん……
正直ずっと一緒にいたい…
でも
チリン──
「もう帰らなきゃ」
鈴の音が聞こえ、意識が薄れる。
ドラケンの死は止めた
これで現代の東卍のナンバー2は
ドラケンのままで
“稀咲”がナンバー2にならない
「幸せな世界になってるといいな…」
ドラケンの死で変わってしまったマイキーくん
そして巨悪化した現在の東卍に
殺された兄さん
ドラケンが生きていれば
全てが変わってるハズ!
そうでしょ?
タケミチくん!!ナオトくん!!
✤ ✤ ✤
2017年───東京。
「宮村さん!201号室の患者さんがまた病室を抜け出して何処かに行っちゃったみたいなの!」
「え……?」
「さっきからずっと病院内を探してるんだけど見当たらなくて…何処にいるか知らない!?」
「!?」
カノはハッとして辺りを見回した。
「病院…?」
自分の着ている服を見ると看護服に紺色のカーディガンを纏っている。そして目の前には慌てた顔の同僚が立っていて、病室から消えた患者の居場所をカノに聞いている最中のようだ。
「(え?え?ちょっと待って…どういう事!?)」
「宮村さん?大丈夫?」
「あ…うん。えーと…その患者さんなら裏庭にいる猫ちゃん達の集会に参加してるんだと思う」
「猫達の集会に参加!?」
「行ってみるといいよ」
「ありがとう!!助かったわ!!」
同僚はお礼を言うとすぐに裏庭に向かって走って行った。
「仕事中だったんだ…」
携帯を出し、あるニュースを調べる。
「おかしい…いくら検索しても兄さんが死んだ事件が出てこない!!」
「宮村さーん。304号室の患者さんの採血、これからお願い出来る?」
「あ、はい。」
「もうすぐで上がるのにごめんなさいね」
「いえ、行ってきます」
ひとまず携帯を閉じ、採血の準備をして304号室に向かった。
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