第62章 これからも家族3人で幸せに(❤︎)
「仕方ねーだろ。わざわざ家にまで来て、妹との結婚を許してくれなんて頭下げられたら…ダメなんて言えねえよ」
不良嫌いのマドカが唯一認めた相手。最初は絶対に大事な妹を何処の馬の骨とも知れぬ奴に奪われるのが嫌だったが、今ではあの二人の幸せそうな顔を見て、カノの結婚相手がマイキーでよかったと思った。
「それに…お前の弟は不良だったわりには、妹を大事にしてくれたからな」
「うちの弟はオレに似て一途だからな!好きになったあの子のことを絶対大切にするよ」
「失恋王が何言ってやがる」
「仮にも親友に対して酷くない!?」
ガーン!!とショックを受ける真一郎を慰めることはせず、嬉しそうに涙を浮かべてマイキーに抱きしめられるカノを見て笑みを浮かべた。
「万次郎くん」
「好きだよカノ」
「私が言おうとしたのに…」
「ふくれっ面も可愛い❤︎」
ずっとニコニコしているマイキーは機嫌が良さそうに、ぎゅうっとカノを抱きしめる。
「好きです、万次郎くん。素敵なサプライズをありがとうございます」
「あー、すげー緊張したぁ〜」
「万次郎くんでも緊張することあるんですね」
「オレだって緊張くらいするし。でもこういうの分かんねぇからいろんな奴にアドバイスもらったりしてさ。マジで成功してよかった。」
「そこまで考えてくれてたなんて嬉しいです。でもどんな形であれ、私は万次郎くんからのプロポーズは受けるつもりでしたよ」
「嬉しいこと言ってくれんじゃん」
「ふふ」
「笑った顔可愛すぎ。ね、ちゅーしていい?」
「…一回だけなら」
プロポーズをされて舞い上がっていたせいもあり、一回だけならと受け入れる。
「帰った後もたくさんするもんな。カノがもう嫌って拒否っても、ぐずぐずに甘やかして愛してやるからな」
「お手柔らかにお願いします…」
「それはカノがオレを煽らなきゃな」
くすっと笑ったマイキーの顔が近付き、それに合わせて自然と目を瞑る。唇が重なり合うと周りから祝福の歓声が上がった。
こうしてタケミチとヒナの結婚式は終わり、カノは愛する人と共に幸せな人生を歩んでいくのだった───。
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