第62章 これからも家族3人で幸せに(❤︎)
「宮村心叶さん」
ポケットから小さなケースを取り出すと、パカッと蓋を開けてカノに差し出す。
「オレと──結婚してください。」
「っ……………」
そこにある『永遠の証』にカノの瞳が揺れた。宝石の女王と呼ばれるダイヤモンドは一切の曇りがなく、美しい輝きを放っている。
「世界で1番愛してるよカノ。オレのすべてに懸けて絶対に幸せにする。だからカノもオレを幸せにしてよ」
こんなサプライズが用意されていたとは知らず、マイキーからのプロポーズを受けたカノは驚きと嬉しさで目尻に涙が浮かぶ。
「こんなサプライズがあるなんて、聞いてません…っ」
「うん。内緒にしてた。タケミっちとヒナちゃんに相談したんだ。そしたらブーケをカノに渡すからそのタイミングでプロポーズしたらいいんじゃないかって言われてさ」
涙ぐんだ顔で二人を見ると"サプライズ大成功!!"と云っているような顔で笑っている。
「(ずるい。万次郎くんはずるい…。)」
周りのみんなも"カノ!早く返事〜!"と急かしたり、"何でオマエが泣いてんの"と関係ない人まで泣いていたりと反応が大忙しだった。
「カノ、返事聞かせてよ。もちろんイエスしか受け付けねーけど」
「…万次郎くん」
「ん?」
「私を…、幸せにしてください…っ!」
「そのつもりだよ」
ブーケで胸の前で持ちながら、ポロポロと涙を流してマイキーからのプロポーズを受ける。
「(この人を好きになってよかった。)」
立ち上がったマイキーに左手の薬指に指輪をはめてもらった後、愛おしさが抑えきれず、マイキーに抱き着いた。
「おめでとう二人ともー!!」
「やったなマイキー!!」
「カノちゃん幸せになってね!!」
「いつまでも仲良しでいろよ〜!!」
祝福の声が響き渡る中、妹の幸せそうな笑顔に、マドカの顔にも笑みが浮かぶ。
「大事な妹が盗られちまったな、お兄ちゃん」
「お前の兄貴じゃねぇ」
からかう真一郎にマドカは怒りマークを浮かべ、そして短い溜息を吐く。
.