第1章 タイムリープ
「そこはほら…刑事なので。ね?」
「(すごく気になる…)」
そうして2日間、二人はナオトの家に監禁され、ほぼ寝ていなかった。
「うー…目が乾いて痛い」
「目薬がありますので挿して下さい。あ、カノさん。それも重要です」
「はい…」
「タケミチ君。そこに載っているデータも重要なので見逃さないように」
「眠い…」
二人の側には栄養剤が置いてある。長時間パソコンの画面と睨めっこしているせいで目が乾き、カノは目薬を挿す。タケミチに至っては瞼が半分しか開いてなかった。
「東京卍會について、できるだけ頭に詰め込んでください」
「(ナオトくんは私達を殺す気だ。)」
マウスをカチカチと動かす。
「カノさん、眠いなら少し仮眠を取りますか?目の下にうっすら隈が出来てます」
「気遣ってくれてありがとう。でも平気。最近、寝たくても眠れないの。それに病院に勤めてると連勤なんて当たり前だしね」
「…もし限界だったら言ってくださいね」
「了解した!」
「ねぇナオト、オレも限界だから休ん…」
「あ、タケミチ君。その下のデータも重要なので見逃さないように」
「……………。」
タケミチくん
どんまい!
再びパソコンの画面に顔を戻す。
「(私の兄、“宮村望”は犯罪組織“東京卍會”の抗争に巻き込まれ、“死亡した”。)」
その日は…私の誕生日の前日だった。
「(当日は祝う事で忙しいからと、誕生日前日に私の誕プレを買いに出かけた兄さん。その帰りにトラックが突っ込み、巻き込まれた。傍には…プレゼントの袋が落ちてたらしいが肝心の中身は原型を留めていないほどぐちゃぐちゃになっていた。)」
カノはこの“東京卍會”についての知識をタケミチと一緒に叩き込まれていた。
「君の能力に問題があるとすれば一つ!“12年前の今日”にしか行けないという事」
「…それはお前の見解だろ?」
「……………」
「第一、過去に戻れるかどーかも…」
「姉の死んだ日に戻り!!姉が祭りに行くのを無理矢理にでも止めれば、姉を救う事ができる!」
「……………」
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