第60章 愛から生まれた呪い
後日、入院してる春千夜の元に訪れ、顔に包帯を巻いている春千夜に謝罪するマイキー。
「ゴメン…春千夜」
とんでもない事をしてしまったと言うマイキーは、自分のしでかした事の重さを反省している様子だった。
「また来るよ」
肩を落としてトボトボと病室を後にするマイキー。
「ハルチヨ、万次郎をすぐに許せとは言わない」
「……………」
「でも良かったら、あいつの友達でいてやってくれないか?」
少しの無言の後、真一郎に手を差し出して当たり前のように"あいつは一生友達だ"と言う春千夜。それに対し"ありがとな"とお礼を口にして、春千夜と握手をした瞬間…。
「え?」
真一郎は再びタイムリープの感覚を味わう。そして気付けば目の前の景色が病室から別の場所に変わっていた。
「(…え!?どこだここ!?)」
バイクの整備をしていた真一郎は慌てて携帯を取り出し、現在の時間が2003年になっていることに気付き、現代に戻ってきた事に思い至る。
「(万次郎は!?)」
次の瞬間、今いる場所が現代であるならば、マイキーがどうなったのかを確認しようと真一郎は店の外に出た。
「オーイ、シンイチロー!ホーク丸ぶっ壊しちゃってさ。直してくんない?」
そこにはボロボロとなった愛機に乗り、成長したマイキーの姿があった。
「聞いてくれよシンイチロー」
場地が体を張って守ってくれたものの、思わず自分で壊してしまったと苦笑するマイキー。
「…何歳になった?」
「へ?」
「……大っきくなったなあ…」
ボロボロと涙を流し、その場にへたり込む真一郎を目の当たりにしたマイキーは、思わずホーク丸を地面に倒しながらも、そのまま真一郎の元に駆け寄った。
「(オレ、成功したんだ…。タイムリープして運命を…変えたんだ…)」
マイキーの手を握りながら真一郎は涙を流して喜んだ。
◇◆◇
「真兄!」
ホーク丸の修理を終えてマイキーを見送っていると、深刻な顔をした春千夜が現れる。
二人で喫茶店に入った後、記憶が二つ存在すると明かした春千夜は、マイキーが死んだ後に川に身を投げて死んだ真一郎の葬儀についさっきまで出ていたと告げる。
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