第60章 愛から生まれた呪い
初代黒龍の解散を宣言した後、真一郎は父親の墓参りに訪れていた。
「親父…万次郎はオレなんかよりデッケェ器だ。立派に育ててみせる!…まぁ心配すんなよ。アンタの代わりに万次郎もエマもちゃんと育てていくから」
そして墓参りを済ませ、帰路に向かって歩いていると、マイキーとエマに何かお土産でも買って帰ろうと考えた真一郎はふと立ち止まる。
「お!"夢の"超音速!!」
店のショーケースにコンコルドのプラモデルが展示されていることに気付いた真一郎は、それをマイキーの土産に買って帰ることを決めた。
「うわっ!!コンコルドじゃん!!ありがとーシンイチロー」
「ちゃんと自分で作れよー」
家に帰宅した真一郎は早速コンコルドのプラモデルをマイキーに渡す。目を輝かせて真一郎にお礼を言うマイキー。
◇◆◇
一ヶ月後───。
「あー疲れた。飯食ってきまーす」
「おーい待てよ佐野。爺さんから電話だぞ!なんかパニクってんぞ」
【ガレージYAGO】で働いていた真一郎が、休憩を取ろうとしたタイミングで祖父の万作から電話が掛かってきた。
《もしもし真一郎か!?》
「うん、どうした?」
《万次郎が…意識不明の重体だ!!》
「え!?」
電話に出た真一郎は、遊んでいる時に階段から落ちて強く頭を打ったマイキーが意識不明の重体だと知らされ、急いで大谷病院へと駆け付ける。
「ハァ、ハァ、」
病院に到着した真一郎の前では、ICUのベッドの上で人工呼吸器を口に付け、頭に包帯を巻いて眠るマイキーの姿があった。
「何があった?」
その場には祖父の万作と共に、涙を流す場地と春千夜、千咒の三人がおり、何があったのかを問いかける真一郎。
「…マイキーの作ったコンコルドのプラモで遊んでたんだ」
場地達と共にコンコルドのプラモで遊んでいたマイキーだったが、2階に駆け上がっていったところ階段から落ち、頭を打って動かなくなってしまったと三人は涙を溢れさせながら言った。
「植物状態?」
医師と対面した万作と真一郎の二人は、マイキーが植物状態であることを知らされる。
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