第60章 愛から生まれた呪い
次の瞬間、未来視(ビジョン)通りにマイキーが右足のハイキックを放ち、左腕でガードした。
「!?」
蹴りを止められて驚きを見せるマイキー。
「止めただと?」
「やっぱりすぐ来た」
一瞬先の未来が見えるように未来視(ビジョン)が進化していることを確信したタケミチ。
「嘘…あの人の蹴りを止めるなんて…」
核弾頭のようだと恐れられた"無敵のマイキー"の蹴りをタケミチが止めた事に驚きを隠せないカノト。
「(もしかして…未来が見えてるの?)」
そう考えれば、先程タケミチがマイキーに蹴られる直前に驚いた顔をしていた理由に納得がいった。しかも【いつ】ではなく【いま】の未来視(ビジョン)が視える事にも二重の意味で驚く。
「最初の頃と比べて未来視(ビジョン)が進化してる…」
「反撃開始だ!!行くぞマイキー!!」
殴りかかかってきたタケミチの拳を躱し、右足のハイキックのカウンターを放つマイキー。しかし未来視(ビジョン)を駆使したタケミチは不格好ながらも遂に蹴りを避けることに成功する。
「(よっ…良けれた!!!さらに後ろ回し蹴り!!)」
「(!?これも避けるか!?)」
身を屈むようにして頭の上を通り過ぎた蹴りを避けたタケミチに内心で驚きを隠せないマイキー。
「彼の蹴りは誰も避けられないと思ってたのに…すごいよタケミチくん!」
カノトの顔に笑みが浮かぶ。
「一体何が起きてんだよ!?」
マイキーの蹴りを何度も避けるタケミチに三途も驚きを隠しきれない。それは両チームも同じ気持ちらしく、マイキーの蹴りを見切ってるタケミチを見て言葉を失っていた。
「(何でだ!?特段速いワケでもねぇのに、なんで避けれる!!?)」
するとタケミチがスッと視線を右に逸らす。
「!?」
マイキーが右足を蹴り出そうとして気付く。
「…まさか、オレがどう蹴るのか分かって…!?」
自分の蹴りのモーションより先に動き出している事に驚いて目を見開くマイキー。
「………、未来を視てるのか!?」
「(ビビんな!!蹴り終えて次の蹴りが来るタイミング。避けたからこそできる隙。)」
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