第60章 愛から生まれた呪い
「そうだ。自分(ジブン)は何をウダウダ悩んでるんだ…ここで終わらせなきゃ!!」
千咒も立ち上がり、決意を新たにする。
「東京卍會!!まだまだいけんだろうが!!」
三途に斬り付けられたはずの大寿も八戒に支えられながら、二代目東京卍會の旗を掲げ、彼らを鼓舞する。
「大寿君!!無事か!?」
「刀で斬り付けられても無事なんて、やっぱり頑丈なんだな」
「くそっ!やはり浅かったか!」
大寿が無事な事に三途の表情が歪む。
「東卍!!」
「東卍!!」
「おいおい何だ何だ?東卍の連中みんな立ち上がってきたぞ」
「………………」
声を上げながら立ち上がる二代目東京卍會の面々を前にして、無言のままのマイキー。
「うるせぇな」
苛立ちを含んだ低い声で呟いたマイキーは"黒い衝動"に身を任せ、目の前にいたタケミチとの距離を詰める。
「(あの眼!!)」
マイキーの眼を見て戦慄し、"黒い衝動"に呑まれていることに気付いたタケミチだったが次の瞬間、ドッとマイキーに殴り飛ばされて地面に転がる。
「え?」
「(まずい!!)」
「タケミっち!?」
「千冬くん危なっ…!」
タケミチが突如殴り飛ばされた事に驚いて駆け寄ろうとする千冬を見て、咄嗟に制止を促すカノト。
けれどその制止も虚しく、千冬もマイキーに蹴り飛ばされてしまう。
「千冬くん!!タケミチくん!!」
ヒュッ!
「!!」
二人の名前を叫べば、マイキーの蹴りが襲い掛かり、咄嗟に腕でガードする。
「ぐっ……!!」
腕にのしかかる足の威力に耐えきれず、体重の軽いカノトは簡単に吹っ飛ばされた。
その光景を目の当たりにした二代目東京卍會の面々は一転して静寂に包まれる。
「出た!黒い衝動!」
マイキーの様子を見て笑みを浮かべる三途。
「待ってたぜマイキー。この時を。」
マイキーが三途に近付いた次の瞬間、味方であるはずの三途を蹴り飛ばしたマイキー。
「味方まで…」
三ツ谷が戦慄する中、マイキーは次々と敵味方関係なく、襲い掛かる。先程の状況とは一変し、マイキーの周囲には二代目東京卍會と関東卍會の面々が地面に転がっていた。
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