第60章 愛から生まれた呪い
「タケミっち…。もうオマエを…一人にしねぇよ…後悔してたんだ」
「千冬…」
「ドラケン君が死んだ時…オマエのせいにしちまった…。オマエは一人で戦ってきたのに…みっともねぇ。すまなかったタケミっち…」
「………………」
「(私が全てを投げ出して自暴自棄になっていた間、彼は一人でも諦めずに頑張ってた。そして君は…私にもう一度、諦めない勇気をくれた。私が支えなきゃいけないのに…君一人に頑張らせた。ごめんね、タケミチくん。)」
心の中で精一杯の謝罪をする。
「オレは二代目東京卍會副総長、松野千冬!!総長の為に命を懸ける!!!背中はオレに任せろ相棒!!」
「おう!」
ボロボロの状態で背中合わせで立つ千冬に対し、タケミチは思わず涙を浮かべる。
「(千冬くん、立ってるのもやっとのはずなのに…。でもやっぱり二人の絆は強い。彼が命を懸けるんだから私もそれに応えるのが友達としての役目だよね。)」
千冬の言葉と勢いに感化されたカノトも笑みを浮かべて宣言する。
「僕は二代目東京卍會総長補佐、宮村心叶都。僕も総長の為にこの身を捧げる。二人とも、全力で立ち向かおう!」
「「おう!」」
カノトの言葉に二人は力強く返事を返す。
「タケミっちが立ってる限り、オレとカノが背中を守る!!」
「絶対に彼の邪魔はさせない!!」
強敵に囲まれて絶体絶命の危機に陥るも、千冬は相棒の為に、カノトは友達の為に声を張り上げた。
「東卍(トーマン)は絶ッ対ェ負けねぇ!!」
「絶対に僕らが勝つ!!」
「かかってこい関東卍會!!」
「これで終わりにしよう!!」
「(千冬…!カノト…!)」
二人に元気づけられ、目に涙を浮かべたタケミチの表情が自信に満ち溢れる。
「うおおおお!!」
「三ツ谷君…」
二人の宣言に続き、雄叫びを上げる三ツ谷。
「元気もらったぜ千冬、カノ。東卍はまだまだやれる。そうだろ?みんな。」
背後を振り返った三ツ谷の前には、士気を取り戻した乾やココを始め、パーちんとぺーやん、河田兄弟や溝中五人衆がいた。
.