第59章 最終決戦
「おおおお!!」
「(関東卍會が士気を取り戻した。これはまずい状況。早く何とかしないと…。)」
焦るカノトが列車に目を向けると、運転席に駆け寄るタケミチの姿を見つける。
「(タケミチくんあんなところに!…ん?中に誰かいる?)」
「カクちゃん!!!死んじゃダメだ!!!」
「("カクちゃん"って確かタケミチくんの…。そうか…列車を止めたのは彼か。)」
ふと奥の方から人影が見えた。そこには刀を手にしたままタケミチに近付く三途の姿があった。
「タケミチくん後ろ!!!三途が来てる!!」
俯いてるタケミチに刀を突きつける三途。
「花垣武道!!テメェはもう死体(スクラップ)だ」
「うぉおおおお!!!」
涙を流しながら三途に殴り掛かるタケミチだが、逆に三途に蹴り飛ばされてしまう。
「タケミチくん!!」
助けに行こうとするも挫いた足では速く走れず、未だにズキズキと痛む足を見て悔しげに顔をしかめた。
「(このままじゃ彼が───!!)」
するとその時、旧湾岸貨物操車場(ヤード)にバイクが走る音が響いた。
「どうした花垣!!!それで終わりか!!!?」
その言葉と共にバイクを走らせていた人物は、"ほっ"っと乗っていたバイクから飛び降りた。走っていたバイクはそのまま三途を轢き、三途はバイクと列車の間に挟まれた。
「三ツ谷ぁ、特攻服(トップク)がちと小っちぇぞ」
「(嘘でしょ…どうして彼がここに?)」
「た…大寿君!!?」
二人が驚愕の表情を浮かべる中現れたのは、元十代目黒龍(ブラックドラゴン)総長であり、二代目東京卍會陸番隊隊長の柴大寿だった。
「(かつての宿敵が味方か…。きっと三ツ谷くんが柴大寿に頼み込んだんだな。そして彼は花垣武道の為に動いた。)」
本当に凄いな
タケミチくんは
「誰アイツ?」
「元十代目黒龍総長だよ。かつてタケミチくんと派手にやり合った事もあるんだ」
「要するに敵だったってこと?そんな奴がどうして二代目東京卍會の特攻服を着てここにいるの?」
「…見てみたくなったんじゃないかな。花垣武道が佐野万次郎に勝つところを」
カノトは口許に笑みを湛えて言った。
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