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BRAVE You’re HERO【東リべ】

第59章 最終決戦



「特に宮村と一緒にいる時のオマエはすげぇ幸せそうで笑顔が増えてった。けど…アイツと一緒にいない今のオマエは…どこか寂しそうだ」



何の反応も示さないマイキーにパーは言葉を続ける。



「マイキー…今…楽しいかよ…?」



そう問いかけると共に、遂に力尽きてパーは倒れてしまう。その様子を離れた場所で見守っていたカノトの目に涙が浮かんでいた。



「カノ、そろそろこっちも決着つけるわよ」



「うん」



乱暴に涙を拭い、海凪と共に走り出す。カノトは拳を振り翳し、海凪は片足を鞭のように振るい、半間に向けて攻撃を放つ。



「…ダリィ」



退屈そうに呟いた半間は、両側から襲い掛かる足と拳を顔に当たる直前で受け止めた。



「「!!」」



二つの同時攻撃を両手で防いだ半間にカノトと海凪は驚いた顔で目を見張る。ニヤリと笑った半間は受け止めている拳を外し逆に手首を掴むと、隣にいる海凪に向けてカノトの体を強く引っ張り、二人を衝突させる。



ドンッ



体がぶつかった衝撃で二人は地面に倒れ込む。



「った……」



「…平気?」



「うん、大丈夫…」



よろめきながらも二人は立ち上がる。カノトは呼吸を乱しながら周囲に目を向ける。



「(タケミチくんの姿が見えない。どこにいるんだろう?)」



ふと地面に目を落とすと、錆び付いた線路があるのを知り、何気なくこう思った。



「(もし列車が動いたらこの場にいる全員死亡グラフだな。)」



列車が来るはずないと分かっているのに、何故か嫌な予感がした。



「勇者チャン」



「!」



「もう限界だろ?早く諦めて降参しちまえよ。オレはこれ以上勇者チャンが傷付く姿は見たくねぇんだ」



「諦める?僕はそんな覚悟で"抗争(ケンカ)"してるわけじゃないんだよ。ずっと頑張ってきた。壊れた世界を取り戻すために。その"諦め"で全てを台無しにされたくない…!!」



ダッと走り、半間に蹴りを食らわせる。



「勇者チャンの蹴りはパンチより強ぇからな!簡単に食らうワケにはいかねぇんだワ!」



ひょいっと半間が躱す。それを読んでいたカノトはすぐに体勢を立て直し、すかさず拳を振り翳した。



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