第59章 最終決戦
「万次郎と言いコイツと言い、愛が激重の相手に好かれ過ぎじゃないのアンタ。しかもコイツの場合、万次郎と違って最悪な愛の向け方ね」
「ホントどうしてだろうねぇ…」
カノトも何も言えず、海凪の言葉に激しく同情するしかなかった。
「三途副隊長が千咒を倒した!!」
そんな言葉が聞こえ、慌てて千咒の姿を探す。
「千咒…!?」
そこには頭から血を流して倒れている千咒と、鉄パイプを持った三途の姿も見つけ、奴に千咒は襲われたんだと知り、ギリッと歯を噛み締めた。
「!」
すると海凪は何かに気付き、言葉だけを後ろにいるカノトに投げかけた。
「万次郎が動くわ」
「え?」
コンテナの上にマイキーとパーの姿があった。
「(パーちんくん!)」
カノトは目を見開いて二人の戦いが始まるのを固唾を呑んで見守っている。
「高みの見物は楽しいかよ?マイキー」
「………、オマエか」
「オマエに引導渡すのはオレだ」
ここに来るまでに数多の数の敵を倒してきたパーは息を上げながらマイキーの前に現れた。
「オマエに挑むのは中1以来だな」
「………、殺す気で来いよ…パー。」
立ち上がったマイキーは特服を脱ぎ捨てる。
「マイキー!オレはっ、オマエのおかげでワクワクしたよ!!」
息を荒らげながら殴り掛かるが、マイキーに簡単に躱されてしまう。
「東卍に誘ってくれた時も!」
ゴッ
「んっ」
思わず涙を浮かべながらマイキーに向かって拳を振りかぶるも、片膝を上げたマイキーの強烈なハイキックを腹に受けて吐きそうになるのをグッと堪える。
「オマエのケツ追って東卍デカくしていくのも!!マイキィイ!!」
何度もその体にマイキーの蹴りを食らうパー。それでも倒れずに拳を振り翳すが、マイキーの蹴りがパーの首に重くのしかかる。
「オレ…バカだから、オマエが何したいのかなんてわかんねー。オレはオマエが笑ってんならどうなったっていいんだ」
そう言ってマイキーを見る。
「今までだってそうだ。オマエが笑ってくれるから頑張れた。みんな…オマエが大好きだから」
「………………」
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