第5章 ミッション失敗…?
「タケミチくん。ちょっとマイキーくん探してくるね」
「うん」
みんなから離れ、カノトは途中でいなくなったマイキーの姿を探す。
「(どこ行っちゃったんだろ…)」
すると人気のない場所で壁を背に立っているマイキーを見つけた。
「あっ、マイキーく───」
「……………」
「!」
声を掛けようとして留まる。じっと見ているとマイキーが全身の力が抜けたようにずるっと地面に座り込んだ。
「…よかったっ、ケンチン」
涙を流したマイキーを見て、カノトは先程の待合室でのマイキーの様子を思い出す。
「(気丈に振舞ってたんだ。みんなを励ます為に。そうだよね──一番辛かったのはマイキーくんだ。)」
「心配かけさせやがって」
堪えていた涙がまた溢れそうになる。
死角に隠れてしゃがみ、ポロポロと流れる涙を手で拭って止めようとした。
「(あーこれはまずい。全然止まんない…)」
「そんなトコで蹲って何してんの?」
「!」
涙で濡れた顔でマイキーを見る。
「ひでぇ顔。そんなに泣いたら目腫れるよ?」
「…マイキーくん」
ふと笑ったマイキーはその場にしゃがみ込むと、カノトの頭に手を置き、ぽんぽんっと優しく叩く。
「オレのこと探してた?」
「…はい」
「そっか」
「ドラケンくん…無事で良かったですね」
「うん。まぁ死なないとは思ってたけどね。ほら、ケンチンって図太そうじゃん?死んでも生き返りそうだろ?」
「生き返ったら怖いです」
「オレもコワイ」
ケラケラと笑うマイキーにカノトも可笑しくなって、一緒に笑ってしまう。
「服とかまだ濡れてんね。家帰ったら風呂入ってあったかくして寝ろよ」
「マイキーくんこそ、ちゃんと暖かくして寝てくださいね。風邪ひいちゃいますから」
「もし風邪引いたらカノが看病しに来てくれる?」
「…まぁ、風邪引いたらですけど。でもマイキーくんは頑丈そうなので大丈夫だと思います」
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