第58章 かつての仲間と共に

「気にしないでください。三ツ谷くんの体調が心配だったので勝手に作ったんです。それに…三ツ谷くんが仲間にいてくれるだけで僕達はすごく心強いですから」



「相変わらず優しいなオマエは。…カノ、必ずマイキーを救うぞ」



「はい」



三ツ谷の言葉にカノトは頷いた。



「ところでタケミっち」



「はい？」



「パーちんとぺーやんは即決でチーム入りしてくれた。集会楽しみにしてるってよ」



「河田兄弟にも連絡取っといたよ。もっと早く『誘え』ってブチ切れてたぜ。スマイリーが」



「ハハ」



「みんなバカだよなぁ」



「やっぱり東卍って素敵なチームだね」



「これで10人！"新生チームタケミチ"の発足だ!!」



「頼むぜ！大将!!」



タケミチに対し拳を向ける三ツ谷。少しずつ元東卍のメンバーが集まっていることに嬉しさを隠しきれないカノトは口許を緩める。



「ところでタケミっち、カノ、他に誘いてぇ奴は？」



「………、一人どうしてもって奴がいます」



「"彼"も仲間に誘いたいんです」



◇◆◇


数日後───。



「千咒に会いてぇ？」



「ハイ！」



「電話しても全然出てくれなくて」



「………、そっか。」



二人が電話を掛けても千咒は応答しなかった。それなら武臣と連絡を取り、彼を介して直接千咒に会おうと思い、彼の下を訪れた。



「三天戦争(ｱﾚ)から塞ぎこんじまってな…ついて来い」



武臣に着いて行くとそこは元梵のアジトであり、階段の一番下には千咒が腰掛けていた。



「千咒…」



「もういいんだ花垣、カノト。三天戦争(あの戦い)で思い知ったよ。結局ジブンはマイキーどころかサウスにも勝てなかった」



「………………」



「ジブンは負けて梵は解散。瓦城千咒はここでもう引退する」



「ダメだ千咒。まだ終わってない」



「…終わりだよ。もうジブンには何もない」



「そんなことない。あんな結末になってとても残念だけど、諦めるにはまだ早過ぎるよ」



自信喪失した千咒を励ますように真剣な表情で言葉を強調するカノト。



「千咒、後悔してんだろ？」



階段の上にいる武臣が千咒に言葉をかける。



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