第58章 かつての仲間と共に
「よし、まあとにかく、これで4人!!」
「まだまだ4人だけどさ、ワクワクすんねチームって」
「うん!でも関東卍會とぶつかるならもっと人数増やさないとな!」
「みんな誘える奴いる?」
タケミチの質問に三人は誰も何も答えず、静まり返る空気感だけが漂う。
「え?オマエら…友達いねぇの?」
「コラコラそういう言い方どうかと思うぞ!」
「カノトは?オマエすげぇモテんじゃん。それこそ男子からも好かれてるんじゃねえの?」
「モテるのは女の子達からだけ。むしろ男子からは妬み嫉みの視線を向けられてるよ」
「それでも頼りにされてんじゃん。やっぱオマエの人柄にみんな惹かれるんだろうな」
「嬉しい言葉だねぇ。でも、彼らをこっちの世界に誘えないよ。ただの一般人に僕らの喧嘩は衝撃が強過ぎるからね」
「そうだよなぁ…」
タケミチは少し残念そうに肩を落とす。
「そういう君は?誘える人いないの?」
「うーん…あ。一人アテがある!」
仲間に誘える人物を思い出したのか、タケミチの後に着いて行くと、そこはバイク屋だった。
「ここって…」
「ドラケン君とイヌピー君の店…」
「もしかして彼を誘うつもり?」
「うん!」
「さすがに今はまずいんじゃ…」
「花垣、用事ってなんだよ?」
店から作業服姿のイヌピーが現れる。それから全員で店内へと入り、各々がソファーに腰掛けた。カノトはタケミチの隣に座り、彼が話し出すのを待つ。
「ドラケン君に託されたんです。"マイキーを頼む"って。オレは関東卍會と戦います。TWはそのためのチームです」
「僕も関東卍會と戦う覚悟を決めた。あの人とは完全に決別したはずだったけど…タケミチくんの言葉で最後にもう一度だけあの人を信じてみようと思った」
あの時の凍えるような冷たい眼と声を思い出すと今でも怖くて身体が震えそうになる。それでもタケミチの励ましによって立ち上がる勇気を取り戻し、彼と一緒にマイキーにぶつかることを決めた。
「お願いします!イヌピー君もついてきてくれませんか?」
「僕たちと一緒に関東卍會をぶっ潰そう!」
二人が静かに見守る中、タケミチとカノトはそれぞれの決意を伝える。
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