第58章 かつての仲間と共に
笑顔を見せる千冬に本音を言うことは出来ず、とりあえず一旦家に帰って新しい特攻服に着替えてからまた二人の下に戻った。
「着替えたけど…どうかな」
「めっちゃ似合ってんじゃん!!流石オレの才能(センス)だな!!イケメンを更にイケメンに変えちまうなんてマジ天才だわ〜!!」
「…タケミチくん」
「何も言うな…オマエの気持ちは分かってっから」
「(ペケJは可愛いけど、タケミチくんみたいにワイシャツを着た方が良さそう。)」
どうやらタケミチもワイシャツの中に新しい特攻服(ユニフォーム)を着ているらしく、それを隠すようにボタンを留めている。
「んじゃ、このままアイツのとこ行こうぜ!」
「アイツって?」
「八戒を仲間に誘おうと思ってんだ」
「あぁ、なるほど」
「もしアイツもチーム入りすんならこの特攻服(ユニフォーム)の良さを伝えてやんねーとな〜」
機嫌が良さそうな千冬に二人は顔を見合わせて困ったように笑う。そして三人は八戒を勧誘するため、彼に会いに行った。
「わかった!入るよ、チーム!」
「え!?無理なお願いだってわかってるし…もっと時間かけて悩んでくれていいんだぜ?」
即加入を受け入れた八戒に驚いたタケミチ。
「タケミっち、オマエはオレをわかってねぇな!!」
「え?」
「オマエが頼ってきたらオレがついていかねぇワケねぇだろ?」
「………、八戒。」
八戒の返答にタケミチは笑みを浮かべる。
「よーし八戒!じゃあ"コレ"を!」
「?」
千冬から新しいTシャツを渡された八戒がそれに着替えると彼は不思議そうな顔をした。
「なんだコレ?」
「TWの特攻服(ユニフォーム)だ!!な!?二人とも!!」
「あ…うん」
「黒猫は千冬くんが飼ってるペケJだよ」
「サウザンドウィンターズ?ペケJ?え?これ着て関東卍會と戦うの?」
「おう!かっけぇだろ?オレの才能(センス)が迸っちまった」
「(あんな笑顔の千冬くんに誰も本音を言えない…)」
微妙な顔をしている八戒と笑顔の千冬、新しい特攻服を隠すようにボタンを留めるタケミチとカノト。こうしてメンバーは4人に増えた。
.