第5章 ミッション失敗…?
「アイツに手ぇ出したら殺す。」
「勇者チャンはお前のモンじゃねぇだろ」
「テメェのモンでもねーよ」
殺伐とした空気が流れる中、ヴォンッとバイクのエンジン音が聞こえた。
「半間さんそろそろ」
「おう。マイキー!!!もうすぐ関東最凶の暴走族連合が誕生する!!“芭流覇羅”だ!!!」
マイキーに指を指しながら高々に宣言する。
「オレは“芭流覇羅”初代“副総長”、半間修二。覚えておけマイキー。この先“東卍”に平和はねぇぞ」
そういうと半間は部下のバイクの後ろに乗り、走り去って行った。
✤ ✤ ✤
「血を失いすぎてる!」
「被覆と止血急げ!!」
「瞳孔3・3、有り有り!!」
「ドラケンくん!」
「病院まであとどれくらいだ!!?」
「意識レベル30刺創深し!」
「呼吸30、脈拍127!!」
「大丈夫なんですか!?」
「かなり危険な状態だ」
「タケミチくん危ないから座って」
ドラケンが運ばれる救急車にタケミチとカノトも付き添った。二人は震える体で祈る。
「大丈夫…奇跡は起こる。絶対に…運命は変わるんだから」
するとドラケンが手を差し伸べる。
「ドラケン君!!」
力なく笑ったドラケンを見てタケミチも差し出された手を握った。
「ありがとなタケミっち。オマエは俺の恩人だ…。カノ、オマエも…頑張ってくれてありがとな」
その言葉に二人は目を潤ませる。
「止してくださいよ。そんな言葉(セリフ)、ドラケン君には似合わないっスよ」
「そうですよ。絶対に大丈夫ですからね」
「マイキーを…頼む…」
「「……え?」」
ピー
「ドラケン君?」
モニターの脈拍数が0になった。
「(心肺停止…!!!)」
カノトの表情が強ばった。
「ドラケン君───ッ!!!」
そう呼びかけるもドラケンは目を瞑ったままだった。病院に着くとドラケンは緊急オペ室へと運ばれる。
「嘘だよ…嘘って」
「そんな…」
「心肺停止って」
医師から“覚悟して下さい”と言われた。
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