第5章 ミッション失敗…?
「それで喧嘩に駆り出されちゃうと色々面倒だからさ。流石にこの人数相手は疲れたし」
「オマエの猫騙しどうなってんの?」
「顔の前で両手を打って、相手の脳に振動を与えるんだ。そしたら少しの間動けなくなるし、最悪コイツみたいに気絶するよ」
「…笑って言うところが怖いな宮村…」
「オマエ実は怒らせるとやばいタイプだな?」
「そんなことないよ」
ニコリと笑い、やんわりと否定する。
「カノ」
「!」
「マジで勇者ぽかったわ」
「そ、そうですか?」
「すげえじゃん!」
ドラケンに褒められ、カノトは照れた。
その時、パトカーと救急車のサイレン音が聞こえ、蹲っていた男達はハッとした顔で立ち上がる。
「うっ!!」
「やべぇサツだ!!」
「タケミチ君救急車来たよ!」
「警察も!」
「……………」
「どーするよ!?」
「まだ続けるなら今度は容赦しませんけど」
カノトの冷めた目に男達は後ずさる。
「バックレんぞテメーら!!」
「オッ、オウ」
「キヨマサ君は!?」
「ほっとけ!!」
慌てるように男達は逃げ去って行った。
「ドラケン君を早く救急車に!!」
「う…うん!!」
タケミチとドラケンに肩を貸す千堂達は雨の中、二人を救急車へと運んだ。
✤ ✤ ✤
「あ───しんどっ」
三ツ谷が深い溜息を吐く。
「おーい、こっちは片付いたぞ」
「コイツ足やっちゃったみてぇ」
スマイリーとムーチョも戦いを終え、三ツ谷と合流した。
「お───マイキーは?」
「あっち」
場地が指差す方向に視線を向ける。
マイキーと半間が対峙していた。
「ハハ、やっぱダリィマイキー。息も上がってねぇのかよ。バケモンかよ?」
「うっせぇ早く死ね」
マイキーは悪辣な言葉を吐き捨てる。
「あー勇者チャン戻って来ねーなぁ」
「…何でアイツを知ってる?」
すると半間はニィッと笑った。
「ヒミツ♪」
マイキーの顔が一気に険しいものへと変わる。
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