第5章 ミッション失敗…?
「マイキー君!!」
「ケンチンを頼む!!!」
「行こう!!タケミチくん!!」
マイキーに託され、タケミチはドラケンを背中に背負い、病院に運ぶ為、その場から走り去る。
雨は先程よりも強くなった。
「大丈夫、絶対に助かる」
「あぁ…」
「タケミチ君!!!」
「カノト!!!」
「ヒナ!!エマちゃん!!」
「今救急車呼んだから!!」
「ドラケンは!?」
「大丈夫生きてる!!」
それを聞き、エマは涙ぐむ。
「ドラケン…」
「ヒナ、救急車はあとどれぐらいで!?」
「わかんないけど、お祭りと雨で道混んでるみたいで」
その時、向こう側から数人の男達がこちらに向かって歩いてきた。
「あれあれぇ!?死んでねーじゃん!!ドラケンちゃん!!」
「おぇーい!!なんでザコミチいんのぉ!?」
「カスが何余計な事してくれちゃってんだ?」
「(長内──!!)」
「誰かガムテープ買ってこい!」
キヨマサを見てタケミチは恐怖で表情を歪ませる。逃げたい気持ちが表れたのか、無意識に足が後ろに一歩、下がった。
「タケミっち」
「ドラケン君…?」
「ありがとなタケミっち」
「ドラケン!?動いちゃダメ!」
「ヒナちゃんとエマ連れて逃げろ」
「(“逃げろ”?)」
「オレは大丈夫だ」
今にでも倒れそうなドラケンは腹部から流れる血を手で押さえながらタケミチに言う。
「(オレ今逃げようとしてた…?それを察して…?)」
「早くしろタケミっち」
「タケミチくん…」
カノトもタケミチを見る。
「あ"あぁあああ!!!!」
「?」
タケミチは空に向かって大声で叫ぶ。
「情けねぇ」
涙を乱暴に拭い、タケミチは自分を奮い立たせる。それを見たカノトは笑う。
「ヒナ、下がってて」
「なんだ?テメェ。死にてぇのか?コノヤロウ」
タケミチは小さく長い息を吐く。
「リベンジだ!!」
「(君なら逃げない。きっとキヨマサを超えられる。大丈夫…絶対にリベンジは成功する!!)」
カノトも掌を握り、タケミチとキヨマサの勝負を見届ける。
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