第5章 ミッション失敗…?
「キヨマサ君。決着ついてなかったよな?」
「あ?」
「喧嘩賭博のタイマンの決着!!」
「……は?」
「何言っちゃってんだテメー!?」
「どうみてもテメぇの負けだろーが!!」
「負けてねえよ」
その言葉にキヨマサは青筋を立てる。
「へー。タケミっちに1億円!!」
「へ?」
「くだらねぇけど乗ってやるよ」
「ヒナも!!タケミチ君に1億円!!」
「エマも!!タケミっちに1億円!!」
「ヒナ!?エマちゃんまで!?」
「もちろん僕も。タケミチくんに1億円。なんなら3億でもいいよ」
「カノト!?」
「はんっ。コイツら切羽詰まってどうかしちまったんじゃねぇか?」
「してねぇよ」
「あ?」
「タケミっちが勝つ!」
タケミチはキヨマサに近づき…
「行くぜキヨマサ!!勝負だ!!」
拳を振りかざした。
ニヤリと笑ったキヨマサはナイフを握りしめ、それに気づくのが遅れたタケミチの掌にナイフが刺さり、貫通した。
「あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」
「なんだよ、殺したと思ったのに。意外と反応いいな」
「タケミチ君!!」
「タイマンなんてする気ねぇよ。ただの処刑だろ?」
「とかなんとか言って…本当は負けるのが怖いだけでしょう」
「あ"……?」
「武器を使わないと勝てないって分かってるから卑怯な手を使ってタケミチくんに勝とうとした。やる事が汚いなぁ、先輩。」
「宮村テメェ…!」
「僕、あの時言いましたよね。もし彼を殺したら…真っ先にお前を殺してやるって。」
カノトはキッとキヨマサを睨む。
「上等だぁ宮村…その生意気な面、ぐちゃぐちゃに歪めてやるよ。テメェも花垣と一緒に殺してやる」
「ああぁあああ!!!」
タケミチは掌に突き刺さったナイフを引き抜き、放り投げる。そしてそのままキヨマサに向かって走り、しがみつくと、脇腹に噛み付いた。
「っ痛え!!」
「噛みつきやがった!!」
「離せゴラァァ!!」
「(ダサくていい。みっともなくていい!!)」
「あ"あ"あ"あ"!!」
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