第54章 六破羅と梵(ブラフマン)
「そっか…やっぱり今(ココ)は12年前じゃないんだな…」
「ああ」
「今度はあれから2年後…10年前にタイムリープか…」
「マイキー君がトリガーって事は、もう未来にはそう簡単に戻れないな…」
「私がマイキーくんと握手しない限りはタケミチくんも未来に戻れない」
「そうだ…マイキー君は今どうしてるの?」
「現在の不良界隈についても知りたいね」
「……………」
すると千冬は携帯で誰かを呼び出した。
「へぇ、タケミチと宮村が不良界隈の事知りたいなんて珍しいじゃん!呼ばれてやったぜ?」
「"不良事典"山岸か…」
「山岸くんなら詳しいね」
そして講師・山岸による不良界隈授業が始まる。
「東卍の解散から2年!東京の勢力図は大きく変わった!」
東京都23区が描かれた黒板をバンッと片手で叩き、熱弁する山岸。
「まず関東を制した東卍が解散した事によって東京の不良界はまさにカオス!!」
「ほうほう」
「メモすなっ」
「いつの間に用意してたの」
隣に座るタケミチは山岸から聞いた話を真剣にメモに書き記している。
「『我こそは』というチームができては潰されできれは潰されのまさに群雄割拠!"東京戦國時代"に突入した!!」
「戦國時代…」
タケミチはごくっと生唾を呑む。
「しかしその時代は3人のカリスマの出現によって終止符を打たれた!!」
「3人のカリスマ?」
「そう!!一つ、港区を拠点とする"最大"の勢力!!六破羅単代の総代、寺野サウス!!」
「(ティラノサウルスみたいな名前…)」
「一つ、新宿区を拠点とし、"最強"を謳うナゾの愚連隊・梵(ブラフマン)!!首領、瓦城千咒!!」
「(愚連隊…)」
「そして渋谷区を拠点とし、"無敵"を謳う関東卍會!!総長、佐野万次郎!!」
「(関東卍會?)」
「今、東京はこの3チームによる三つ巴の均衡状態!!"三天時代"になっているんだ!!」
「マイキー君と同じレベルがあと2人!?」
「(東卍を解散してすぐ新しいチームを作ったんだ…。それって…みんなを巻き込みたくないからだよね?)」
カノトはビデオテープでマイキーが言っていた事を思い出す。
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