第5章 ミッション失敗…?
「へー、意外。」
「「!」」
「マイキーってアタマもキレるんだね」
愛美愛主のメンバーが左右に道を開ける。そこに現れたのは仲間の一人に傘を差された一人の男。
「だりぃ」
右手の甲に“罰”、左手の甲に“罪”と書かれている。カノトはその男を見た途端、何故か体の震えが止まらなかった。
「…誰?」
「オレが誰とかどーでもいいけど、一応、今“仮”で愛美愛主仕切ってる半間だ」
「オマエが裏でネチネチしてるキモ男?」
「面倒クセェなぁマイキーちゃ…」
ドッ
「んっ」
マイキーの強烈な蹴りが半間の顔に直撃した。…かと思えば、半間はマイキーの足を腕でガードし、受け止めている。
「マイキーの蹴りを止めた!?」
これにはマイキーも驚きを隠せない。
「そんなに急ぐなよマイキー」
半間は余裕の笑みを浮かべている。
「オレの目的は“東卍潰し”。かったりぃから内部抗争っしょ。でも結果オーライかな」
ぞくぞくと武器を持った愛美愛主のメンバーが集まり始める。
「これで“無敵のマイキー”をこの手で──ぶっ殺せるからな!!」
「(何なの、この人…)」
「愛美愛主総勢100人。東卍5人相手だ。前みたいにヒヨんじゃねぇぞテメェら!!」
「(5人って…私も頭数に入ってる!?)」
「オレは長内みたいに甘くねぇからよぉ」
「ウッス!!!」
「逃げたら追い込みかけて歯全部なくなるまでボコるかんな!!?」
「……ッ、ウッス!!!」
半間の言葉に恐怖感を抱いた愛美愛主のメンバー達は体をぞくりとさせた。
「マイキーもドラケンもまとめて鏖だぁ♥」
「(なんなのコレ!?こんなのナオトくんから聞いてないよ!?)」
叩き込まれた情報の中に無いものが存在している事にカノトは混乱する。
頭数では愛美愛主が圧倒的有利だった。その時、排気音を響かせながら、沢山のバイクがこちらに向かってくる音がした。
「ふ──間に合ったか」
「え?」
東卍のメンバーも大勢、集結した。
「内輪モメは気乗りしなかったけどよぉ」
「愛美愛主相手なら思いっきり暴れられんじゃねーかよ!!」
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