第5章 ミッション失敗…?
「結果今日が決戦になっただけの話」
「オマエら…」
「東京卍會勢揃いだバカヤロウ」
「どいつから死にてぇ!?」
「ぺー!!テメーはまず殺す!!」
「くっ」
ぺーやんが後ろに退がろうとして、半間が後頭部をガシッと押さえる。
「楽しくなってきたじゃんかよ」
「(…抗争が、始まる。ドラケンくんが死ぬのを回避しなきゃ…未来は絶望的だ。)」
「カノ、そこから動くなよ」
こちらを振り向かずに言ったマイキーにカノトは頷いた。
「はい!」
「!“カノ”…?」
半間がこちらを見た。
「(何…?私を見てる…?)」
「オマエ…勇者チャンじゃねぇの!?」
「!」
「え……?」
半間は驚きが混ざった顔で笑った。マイキーも半間がカノトの名前を呼んだ途端、ピクリと反応を示す。
「そっかーオマエ、そいつらのトコにいたんだな。急にいなくなると驚くじゃん」
「何を…言ってるんですか?」
「あれ?もしかして覚えてない?」
「……………」
「まぁ…そりゃそうだわな。オマエが覚えてねーのも当然か。なァ…勇者チャン?」
その歪んだ笑みに恐怖でぞくりと震えた。
「コイツに話しかけんな」
「なんだよマイキー。嫉妬か?」
マイキーの顔が険しくなり、半間はニヤリと笑う。
「祭りの日に大乱闘…」
ドラケンが立ち上がる。
「血が躍るじゃねぇかよ」
その体はフラフラしていた。
「なあ?マイキー!!」
「ハハ」
ドラケンはマイキーの真横に立つ。
「行くぞオラぁあ!!!」
「やっちまえ!!!」
両チームが走り出し、大乱闘が始まった。
「タケミチくん!!ドラケンくんを探して!!」
「分かってる!!オマエはそこにいろよ!!」
「(これが抗争…。争いが…止まらない。)」
降り頻る雨がカノトを濡らす。
「…ドラケンくんを、探さなきゃ!」
マイキーとタケミチの言いつけを破り、ドラケンを見つける為、抗争の中に飛び込んだ。
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