第5章 ミッション失敗…?
神社近くの駐車場────。
「ドラケン君!!」
「おう、三ツ谷…タケミっち」
そこには愛美愛主を相手に頭から血を流しながらドラケンが一人で戦っていた。
「タケミっち!三ツ谷!!」
「エマちゃん」
少し離れたところに涙を浮かべたエマもいた。
「ぺーやん!テメェ!!何、愛美愛主とつるんでんだよ」
「ウッセェ、三ツ谷。テメェも殺すゾ」
「ぺーやん卑怯だよ!!いきなり後ろからバットで襲って!!こんなに大勢連れてきてそれでも男!?」
「……………」
「あ──疲れたぁ…」
「ドラケン君…大丈夫スか!?」
「流石に20人が限界か…」
フラフラの状態のドラケンがその場に座り込み、三ツ谷に声をかける。
「あとは頼むぞ…三ツ谷。アタマ痛え」
「ウッス」
「(キヨマサ君がいない…)」
荒い呼吸を繰り返しながらタケミチはキヨマサの姿を探す。
「テメェら二人で適うと思ってんの?」
「ウッセェボケ」
そう言い、三ツ谷が笑う。
「三人まとめてやっちまえ」
絶体絶命のピンチ。
その時だった。聞き慣れた排気音にドラケンと三ツ谷は笑みを浮かべる。
「ふん!やっと来た」
「この排気音」
「マイキーの“CB250T(バブ)”だ」
すると水飛沫を飛ばしながらバイクに乗ったマイキーが勢いよく現れた。その後ろにはカノトも乗っている。
「マイキー君!!カノト!!」
「(し、死ぬかと思ったぁー!!)」
走行中、物凄いスピードで飛ばすマイキーの運転に死を覚悟したカノトだったが、無事に生還したことに涙を浮かべて喜んだ。
「マイキー…!!」
「なるほどね。オレを別のトコ呼び出したのはケンチン襲う為ね」
「え?」
「で、オレのせいにして“東卍”真っ二つに割っちまおう…と」
「オレはただパーちんを!!」
「これはオマエのやり方じゃねぇ!“誰にそそのかされた”?」
「(ぺーやんを操ってる黒幕がいるってことか?)」
「(もしかしてキヨマサって人も?)」
タケミチとカノトはアイコンタクトを送る。
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