第52章 辿り着いた未来
「下心丸出しなんですけど…。というかビキニは流石にハードルが高いので、せめて露出度の少ない水着を選びます」
「選ぶのはオレって言っただろ。だからカノがどんな水着を着るかはオレ次第ってコト♪」
「そんな…」
「あ、首が見えるタイプはまずかった。オレが付けたキスマークの痕が分かるもんな。あーでも…あれからたくさん付けたし、水着で隠せる部分はねぇかも」
「え…」
揶揄うようにマイキーはニコリと意地の悪い顔で笑う。
「胸元に付けた痕もまだ消えてねーし、背中とか太ももに残ってる痕もしばらくは消えねぇだろうなー」
「じゃあ水着着れないじゃないですか。というかあの時、万次郎くんのこと大好きって言ったら、首の痕が見えないタイプの水着選んでくれるって約束しましたよね?」
「そうだっけ?」
「そうですよ!!何で忘れるんですか!!」
「怒った顔も可愛い〜❤︎」
「話聞いてます!?」
恐らく聞いてはいるが、対して気にも留めていないのだろう。怒るカノトにニコニコと口許を緩め、嬉しそうに笑っている。
すると───。
「カノ」
「はい?」
マイキーが立ち止まったことで、カノトの足も自然と止まる。さっきまで嬉しそうに笑っていた顔が消え、マイキーは真剣な表情を浮かべた。
「オマエと出逢ってから今日まで、オレは数え切れないくらいオマエに助けられてきた。心が挫けそうな時、前に進む歩みを止めた時、間違った道に行こうとした時。そういう時は必ずカノの存在がオレの支えになってた」
「急にどうしたんですか?」
「弱いところを見せてもオマエはそんなオレも好きだって言ってくれたよな?どんなオレでも愛するって。それがすげぇ嬉しかった」
「……………」
「この先もきっと、オマエはオレの全てだ。だから約束するよ」
柔らかな風が吹き、真剣な眼差しを向けるマイキーのピンクゴールドの髪を撫でる。
「12年後、また逢う日まで、東卍のみんなもマドカさんもオレが絶対に守ってみせる。絶対に…」
「万次郎くん…」
「オマエの幸せが壊されねぇように、オマエが12年後も安心して笑って過ごせるように、オレはオマエの未来を守り続けるよ」
.