第52章 辿り着いた未来
「だからそういうことを…!!」
「今日も世界一可愛いな♪」
「っ〜〜〜!!」
こちらの話など聞いておらず、今日も今日とて愛しい恋人に愛をぶつけるマイキー。もう何を言っても無駄だと知ったのか、カノトは反論するのを止めて諦めた。
「おいマイキー、いくら恋人宣言したからってオレらの前でイチャつくのはやめろ。オマエから甘い空気がダダ漏れてんだよ」
「言っても無駄だってドラケン。マイキーって人前でもイチャつきてぇタイプじゃん。見せつけられてンのは正直腹立つけどな」
「なんかマイキー君からカノトに向かってスゲェたくさんハート飛んでる!?」
「気をつけろタケミっち。あんま近くにいるとコイツらの甘い空気に胸焼け起こすぞ」
ドラケンと三ツ谷は、人前でも堂々とイチャつき始めたマイキーの甘ったるい空気に、うんざりとした表情で呆れ返り、タケミチはマイキーから溢れ出たハートに驚き、目を丸くした。
「なあみんな!タイムカプセル埋めね?」
「タイムカプセル?」
「いーね!」
そこでやっとマイキーがカノトを離す。
「じゃあ…未来の自分に手紙書こーよ」
「手紙…?」
「んー…そーだな。開けるのは12年後!」
「12年後?」
「────っ」
「(12年後の自分に向けた手紙…)」
マイキーはカノトとタケミチを見て、軽く笑む。
「なんで12年後なの?」
「さあ?でもたのしそー」
「ここに1週間後、自分への手紙と大事なモン持ってさ、集合な。」
◇◆◇
2006年 3月15日
武蔵神社────。
「(大事な物って言われると迷ったけど…私の中で大事なのはコレかな。)」
持ってきたモノをそれぞれの缶の箱に入れ、ドラケンがシャベルで掘った穴に埋める。
「よし!」
最後にマイキーが素手で土を慣らし、タイムカプセルを埋めるのを終えた。
「何埋めたン?」
「バーカ。それ言ったら面白くねぇだろ?」
「先は長いね…何入れたか忘れちゃいそうだ」
「そーそー。それがタイムカプセルの醍醐味ね!」
「みんな忘れんなよ。12年後の東卍結成日、またこのメンバーで集まろう!!」
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