第52章 辿り着いた未来
「伍番隊隊長、武藤泰宏!!捕まっちまって今ここにいねぇけど、オレは最後まで東卍メンバーだったと思ってる!!」
天竺の幹部で、"S62世代"の一人であるムーチョにも感謝の言葉を述べるマイキー。
「最後は東京卍會副総長、龍宮寺堅!!!」
「佐野万次郎。クソわがまま、天上天下唯我独尊男。けどオレらはそのカリスマに惹かれてここまでついてきた」
「(…ドラケンくん。)」
「総長の決断に異論はねぇ!!!今日までお疲れ様でした!!!総長!!!!」
「………、ありがとうケンチン」
両手を後ろで組み、頭を下げるドラケン。どんな時も一番側で支えてくれた力強い存在に、マイキーは柔らかな笑みを浮かべた。
「(本当に終わるんだな…。)」
「もう一人、この場を借りて感謝を伝えたい奴がいる。壱番隊隊長補佐、宮村心叶都!!」
「え?」
「前へ」
感傷に浸っていると、突然呼ばれた自分の名前に驚いた。カノトは戸惑いながらもマイキーの前に出る。
「オマエにはたくさん迷惑かけたな。それでもオレのこと見捨てずに傍にいてくれてありがとう。オマエの存在にすげぇ救われてんだ。あの日、オレと出会ってくれてありがとな、カノ」
総長としての仮面が外れ、柔らかな雰囲気を纏ったマイキーは、優しい眼差しでカノトを見つめる。
「迷惑だと思ったことは一度もありません。貴方の傍にいると決めたのは僕自身です。それはこの先もずっと変わらない。僕にたくさんの世界を見せてくれて有難うございます。今日まで本当にお疲れ様でした、総長。」
喋っている間も涙が込み上げそうになり、泣かないようにグッと堪える。
「あと、オマエらに知っておいてほしいことがある。重要だからよく聞いとけ。」
「(まだ伝えることがあるのかな?)」
「こいつオレのだから手出したヤツ全員殺すから❤︎触れたヤツも問答無用で蹴り飛ばす。ちゃんと肝に銘じておけよ♪」
「な……っ!!?」
「「∑えぇぇーーー!!??」」
にっこりと深い笑みで物騒な言葉を口にしたマイキー。もちろん二人が恋人同士だとは知らないメンバー達は盛大に驚き、そして突然の恋人宣言に唖然とするカノト。
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