第52章 辿り着いた未来
「ケチ」
「誰がケチですか」
「コスプレえっちは定番だろ!」
「声が大きい!響きますから!」
「もっと響くことしてやろうか?」
「え?ちょ、待っ…!」
不貞腐れたマイキーにガバッと抱き着かれ、そのままキスをされてしまうカノトだった。
◇◆◇
次の日の夜───。
「みんな聞いてくれ」
神社に招集した東卍メンバーを前に、マイキーは真剣な表情で話を切り出す。
「大きな犠牲を払ったけど、天竺を潰して東卍は日本の頂点(トップ)に立った。オレらはこれから何世代も語り継がれる時代を創った。…だから頂点の時に終わらせたい」
「(ついに、か…。)」
「本日をもって東京卍會は解散する!!!!」
「え!?」
「解散!?」
突然の解散宣言に、案の定、全員が驚きを隠せず、唖然とした顔を揃えている。
「解散って…知ってたか、カノト!?」
「うん。昨日マイキーくんから聞いた」
隣で驚いた声を出すタケミチの言葉に冷静に対応する。周囲には混乱と動揺の声が飛び交っているが、マイキーの表情は変わらない。
「は!?オマエ…急に何言ってんだ!?」
「壱番隊隊長、花垣武道!!!!前へ!!」
「呼ばれてるよ、タケミチくん」
「あ、あぁ…」
マイキーの前に立つタケミチの顔は戸惑っているようにも見えた。
「"未来を変える為"ならこれが一番だろ!?」
「マイキー君…でも…っ」
「弐番隊隊長、三ツ谷隆!!前へ!!」
タケミチの次に三ツ谷が呼ばれ、彼も又、戸惑いを隠しきれていない様子だった。
「オマエがいてくれたから東卍はここまでこられた」
「ちょっと待てよマイキー…!!」
「参番隊隊長、林良平!!」
三ツ谷の次に呼ばれたぺーやんは既に涙目だった。
「パーちんのいない間、頑張ってくれたな。最高の隊長代理だ」
「マイキー…」
「肆番隊隊長、河田ナホヤ!!」
ぺーやんの次に呼ばれたナホヤも、いつものスマイルが崩れ、目に涙を浮かべている。
「ここまで東卍を支えてくれてありがとな」
「…そんなこと言うなよマイキー。オレ…やだよ…」
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