第5章 ミッション失敗…?
「え…えーっとぉ…」
「オレの気持ちは迷惑?」
「そ、そんな…!迷惑なんて…!」
カノトは混乱した。その時、着信音が鳴り、出ていいのか分からずオロオロすると…
「いいよ、出て。」
どこか切なげに笑みを浮かべたマイキー。カノトは気まずそうに携帯に出た。
「もしもし?タケミチくん?」
《カノちゃん!!やばい事になった!!》
「落ち着いて。どうしたの?」
《ドラケン君どこにいるか知らねぇか!?》
「ドラケンくん?今日は見てないけど…」
《ドラケン君が危ねぇんだ…!!》
「どういうこと…?」
声色が変わったカノトにマイキーも気付き、こちらを見ている。
《東卍のマイキー派の奴がドラケン君を的にかけてるらしい!!》
「え!?」
「カノどうした?」
マイキーが心配そうに声をかける。
《下の連中はまだ納得いかなくてヒートアップしてる!!第2次抗争が始まっちまうんだよ!!》
「嘘でしょ…」
抗争はまだ…止まってない!?
「おい?」
《とにかく!!今ドラケン君探してんだ!!今日は8月3日!!ドラケン君を早く見つけないと…!!》
そこでタケミチとの通話が終わる。
「…マイキーくん、ドラケンくんが今どこにいるか知ってますか?」
「ケンチンなら祭りに来てると思うけど」
「…今はどこにいるか知らないですよね?」
「あぁ…何でそんなこと聞くんだ?」
「……………」
「まさか…ケンチンに何かあったのか!?」
マイキーの表情にも焦りが垣間見える。
「…ぺーやんくん、本当にここに来るんですか?」
「どういう意味だ?」
「マイキーくん…僕、何故か嫌な予感が止まらないんです。ぺーやんくんは…本当にパーちんくんの件は納得したんですか?」
「!!」
「あのパーちんくん一筋だった人が…」
不安に駆られ、ネックレスをギュッと握る。
「走るぞ、カノ」
「え?どこに…」
「いいから!!」
ぐいっと強引に手を引かれ、カノトは訳が分からないまま、マイキーに引っ張られる形でその場から走り出す。
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