第5章 ミッション失敗…?
景品の中からピアスを選び、オッチャンがこれまた悔しげな顔で掌に乗せてくれる。
「(まさか特賞でピアスが手に入るとは。)」
「よかったね」
「はい!」
またひとつ、マイキーからの贈り物が増え、カノトは嬉しそうに笑った。
ピロン♪
「!」
マイキーの携帯にメールが届き、その内容を確認した。
「ぺーからだ」
「ぺーやんくんからですか?」
「うん」
「急ぎの用事ですか?」
「指定された場所に来いとしか書かれてない。ちょっと寄り道していい?」
「はい」
カノトはマイキーと一緒にぺーやんに呼び出された場所へと向かった。
✤ ✤ ✤
「ここで待ち合わせですか?」
「あぁ。…アイツはまだ来てないみたいだな」
祭り会場から少し離れた林の中。肝心の本人はまだ来ておらず、しばらく二人は待つことにした。
「マイキーくん、お祭り楽しいですね」
「楽しんでくれた?」
「とても。最近は忙しかったのでお祭りに来るのは久しぶりで…懐かしいものばかりで目移りしちゃいました」
「そんなに懐かしい?」
「え…あ…は、はい。去年は行けなかったので久しぶりに来てみると色々懐かしくなっちゃって!」
思わずボロが出そうになり、慌てて誤魔化した。
「オレも楽しいよ。美味いもん食って、オマエと一緒に祭り回れてさ。特賞も摂ったし」
「ネックレスと言いピアスと言い…マイキーくんには貰ってばかりですね。何かお礼を返さないと」
「じゃあ、オレのものになってよ」
「え?」
耳を疑い、驚いた顔をマイキーに向ける。
「オレのものになって、カノ」
優しく微笑まれ、カノトはドキッと鼓動が高なった。
「も…もう、何言ってるんですか。僕、男ですよ?そういうのはマイキーくんの好きな子に…」
突然の告白に戸惑い、またからかわれただけだと解釈したカノトが困った顔でマイキーを見る。
「本気だよ」
「っ………!」
マイキーは真剣な表情で、こちらをじっと見つめていた。その視線が強く向けられ、どうしていいのか分からず、マイキーから逃げるように視線を逸らしてしまう。
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